【はじめに】
一般的に、肺炎とはいわゆる細菌やウイルスなどの病原体が生体に侵入することが契機となって発症します。
よく耳にすることがあるように比較的世間ではありふれた病気であり、日常生活を送るなかで誰しもが発症するリスクを抱えている疾患です。
主に細菌性肺炎を含めて肺炎自体は我が国においては、近年の人口動態統計によると悪性腫瘍、心臓病に次いで第3位の死因になる重大な疾患として捉えられています。
通常では、高齢者が細菌性肺炎などにかかった場合には容易に重症化してしまうリスクもあるため、事前に予防する為に肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンなどの接種をすることが推奨されています。
そして、ウイルス感染予防の観点から免疫機構を含む生体の微妙な恒常性を維持するために、マグネシウムは広範囲にわたって深く機能していると言えます1)。
残念なことに、現代の日本人は代表的ミネラルであるカルシウムやカリウムだけでなくマグネシウムも慢性的に不足していると言われています。
昨今では多種類のミネラルやビタミンなどを同時に効率よく補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も多く存在しています。
今回は、肺炎にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性について説明します。
【第1章】肺炎になる原因とは?
一般的には、肺炎は感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染を介して感染が波及することが多いのが特徴的とされています。
そして、肺炎を引き起こす病原体の代表例としては肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、黄色ブドウ球菌、クレブシエラなどのバクテリアによるものが多いと伝えられております。
その中でも特に、肺炎球菌やインフルエンザ桿菌は細菌性肺炎の原因菌としては頻度が高く、一度発症すると湿った咳や黄色や緑色を帯びた痰が出るようになります。
また、細菌のみならずインフルエンザウイルスや麻疹ウイルス、あるいは水痘ウイルスなどを筆頭として様々なウイルスが原因で肺炎を認めることもあります。
そして、忘れてはいけないのが高齢者においては、若年者と比較して嚥下機能が加齢性に衰えていることから、口腔内の細菌が気道系に誤って入り込んで肺炎を発症することがあります。
こうしたタイプの肺炎は、「誤嚥性肺炎」とも呼ばれており、中には入院治療に関して気管内挿管を行って人工呼吸による集中管理を受けることもあります。
このような場合には、普段過ごしている街中における日常生活ではあまり問題視されないような例えば緑膿菌などのバクテリアが原因となって肺炎を起こすことも時に認められますので注意が必要です。
【第2章】肺炎にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性
前章でも触れたように、肺炎を発症する原因となる病原体微生物は多種多様に存在します。
それらの多くは口や鼻から空気と共に吸い込むことによる飛沫感染で発症し、時に手の指などから口を経由して体内に入り込む接触感染のタイプもあります。
したがって、肺炎を予防するための一番のポイントとしては、このような様々な病原微生物を生体内に入れないように意識して、あらゆる侵入ルートを遮断することになります。
ですから、肺炎に対する基本的な予防策としては、日常的にマスクを着用する、こまめに手洗いやうがいを励行することなどが挙げられています。
普段の生活において、外出する際にはきちんとマスクを着用して、細菌やウイルスを体の中に侵入させない、また外から自宅に帰ってきたら、毎回必ず手洗いとうがいをすることによって付着している病原体などを洗い流すようにしましょうね。
また、特に細菌性肺炎においては、ワクチンを接種することで疾患を予防することが可能なものもあり、現代では肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンを接種することによってそれらの細菌による肺炎の発症を未然に防ぐことも重要な視点となります。
そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
そんなマグネシウムの摂取が不足すると、生活習慣病のみならずウイルス感染症や全身性炎症反応とも密接に関連していることがこれまでの調査研究でも徐々に解明されつつあります。
したがって、生命の基礎ミネラルとも言えるマグネシウムが不足すると、様々な体調不良を引き起こし、同時に免疫力が低下して多彩な細菌やウイルスによる肺炎発症に繋がる可能性があると考えられます。
昨今において特に注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品をいいます。
近年では、サプリメントなどの健康食品の消費量は年々増加しており、いまや約6割もの人が利用していると言われています。
以前における厚生労働省の栄養調査によると、マグネシウムの平均摂取量は成人男性では270mg、成人女性では230mgであると言われており、日々の食品からの摂取量だけでは至適範囲のマグネシウム量として不足している実態が推察されます。
万が一にもストレスを多く抱えているときなどはミネラルの消費量も比例して増大すると伝えられており、マグネシウムの摂取は食事以外に市販のサプリメントでもある程度は期待できますので特にマグネシウムを意識して摂るように普段から心がけましょうね。
このように、肺炎にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
肺という臓器は、主に酸素と二酸化炭素のガス交換を担う生体内において重要な臓器です。
肺炎を起こすとガス交換機能が障害を受けるために、呼吸器に関連する症状が前面に顕著に出現します。
肺炎患者さんにおける具体的な兆候としては、一般的な発熱症状に加えて、咳や痰、呼吸苦などが現れて、代償的に呼吸回数が増加して、見るからにしんどそうな肩呼吸様式なども認められることがあります。
通常では、症状の強さや重症度は、その人の年齢や個々の原因となっている細菌によっても異なりますが、注意しておくべき事は高齢者の肺炎では自覚的な症状があまり顕著にならないままあっという間に重症化することもあることです。
したがって、健康な高齢者であっても加齢に伴って徐々に免疫力が低下していると考えられますので、肺炎にならないために常日頃から免疫力の維持や向上を心がけて、免疫力を低下させる要因となり得る疲労やストレスのない規則正しい生活を送りましょうね。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」であると言われています。
マグネシウムは生体内の約300種類の酵素をサポートする補助酵素としての重要な役割を果たしていることは周知の事実です。
したがって、日々の食事内容を見直しながら、サプリメントをうまく活用してマグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって肺炎にならないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょうね。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
1)福生吉裕:マグネシウム製剤の臨床治療への有効性. 東京未病研究会雑誌. 1995 年 1 巻 1 号 p. 20-28.
DOI https://doi.org/10.11288/mibyou1995.1.20
2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1例.心臓. 2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_50-S1_54.
DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。