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変形性頚椎症に伴う脊髄症にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

【はじめに】

変形性頚椎症に伴う脊髄症という病気は、従来から比較的有病率の高い疾患であると捉えられております。

その病態としては慢性的な神経への圧迫によって脊髄レベルの血液循環が障害を受けて細胞死を起こすことであると考えられてきました1)。

多くの場合、50歳を過ぎて以降に加齢に伴って大きな変化が生じやすいことから本疾患は50歳以降に発症しやすい病気と考えられています。

そして、マグネシウムは生体内で様々な反応に関係する必須電解質のひとつであり、生体内ではそのほとんどが骨や筋肉などの組織に存在していると言われています2)

我が国でも日常生活内で積極的にマグネシウムを摂取している方は少なく、これまでもマグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されています。

そのような背景がある中で、近年では多種多様のミネラルを同時に効率よく簡便に補うことができるサプリメントという製品によってマグネシウム成分を摂取する人も沢山います。

今回は、変形性頚椎症に伴う脊髄症にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性について説明します。

【第1章】変形性頚椎症に伴う脊髄症になる原因とは?

変形性頚椎症に伴う脊髄症を引き起こす原因としては、加齢を重ねることによって頚椎そのものや頚椎と頚椎の隙間にあるクッション様の組織である椎間板、あるいは骨と骨の間に存在する靱帯などを含めて脊柱管を形成する構造物が変形することが挙げられます。

そして、本疾患の症状のほとんどはこのような加齢による脊椎症性変化により脊柱管狭窄を生じることで脊髄や馬尾神経根が圧迫されることにより引き起こされます。

この病気を発症すれば、脊髄が圧迫されるためにその影響で首や背中を含めて手足のしびれといった症状を呈する以外にも、手がうまく使えないばかりか足に力が十分入らずにスムーズに歩行できないなど運動障害が認められるようになります。

また、神経圧迫症状として頻尿や尿失禁などをはじめとして膀胱や直腸における通常機能が低下することによって日常生活に多大なる支障を及ぼす場合も稀ではありません。

特に、変形性頚椎症に伴う脊髄症を罹患している場合、日常生活動作において例えば箸を使う、ボタンをかける、字を書くといった細かい動作ができなくなるのみならず、問題なく歩くことができないなど運動機能において弊害を認めることにも繋がります。

また、本疾患では痙性歩行といわれる歩行障害を認めるケースがあり、この歩き方になると両脚が突っ張ってしまうがゆえにつま先を引きずるような歩き方になるために、頻回に躓いて自己転倒しやすくなり危険です。

【第2章】変形性頚椎症に伴う脊髄症にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

万が一にも本疾患を発症した際には、手足の軽いしびれ程度のみしか自覚しない軽症例では、鎮痛剤や神経ダメージを修復する作用を有するビタミンB12などによる薬物療法などを中心とした保存的な治療が実践されます。

ところがその一方で、日常生活を送るうえで多大な支障をきたすような痛みやしびれ、あるいは運動機能の低下などの強度な症状を認めた際には脊柱管を拡大するための手術が必要となる場合も考えられます。

変形性頚椎症に伴う脊髄症の背景に潜在している可能性がある骨粗鬆症という疾患は予防が非常に重要な病気であり、常日頃からカルシウムのみならずマグネシウムを中心に主要ミネラルやビタミン群を摂取することが重要です。

カルシウムは骨の材料になっていることはよく知られていますが、実際には骨はカルシウム物質だけで構成されているわけではなく、タンパク質であるコラーゲン成分にマグネシウムなどのミネラルが固着して成長しています。

したがって、骨密度を高めるため、あるいは骨強度を向上させるためにはタンパク質やマグネシウムなどの主要ミネラルもたくさん摂取する必要があると言えます。

通常の食事をしている場合、マグネシウムが不足することはほぼありませんが、仮に睡眠不足や運動不足が続く場合やストレスが過大にかかっている際には体内のマグネシウムが消費されるがゆえにマグネシウムの必要量が多くなると考えられます。

そして、人間の身体の内部では「マグネシウム」という成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、骨の発育や神経回路の制御などを中心に生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。

マグネシウムが不足すると、動脈硬化性疾患のみならず、発育不全、筋肉痙攣、神経過敏症や不安障害および抑うつ傾向などの精神症状などが現れて、さらには骨粗鬆症を発症して変形性頚椎症に伴う脊髄症に罹患する危険性が高まることに繋がります。

昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法は一般的に普及され多くの人が利用しています。

マグネシウム不足を解消するために、1日で約300mg程度の摂取が到達目標として掲げられていますが、この到達量を食品だけで全てまかなうとなるとかなり大変であることからマグネシウム摂取手段として市販のサプリメントを工夫して利用することが期待されます。

変形性頚椎症に伴う脊髄症にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントを上手く活用する必要があると考えられます。

【まとめ(おわりに)】

変形性頚椎症に伴う脊髄症とは、頚椎などの脊柱管周囲に存在する構造物が加齢性に変形して、重要な脊髄が走行する脊柱管の隙間が狭くなることで脊髄が圧迫されて多彩な神経症状を自覚する病気を意味します。

本疾患を発症する原因としては加齢に伴う頚椎などの物理的構造変化が多いと考えられています。

もともと日本人は諸外国人に比べて脊柱管が狭い傾向があることもあり、変形性頚椎症に伴う脊髄症を発症しやすいと考えられています。

変形性頚椎症に伴う脊髄症では、脊髄へのダメージが軽度なケースでは軽い手足のしびれ症状のみが自覚されます。

ところが、神経へのダメージが甚大になればなるほど手足の筋力低下や運動麻痺のみならず頻尿や失禁など膀胱直腸障害などの症状も合併するようになりますので未然に本疾患にならないために予防することも重要な視点となります。

そのようななかで、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない栄養素が、「マグネシウム」であると言われています。

近年の調査によると約3割の方が健康食品を毎日利用しており、さらに8割程度の方が実際にこれまでにサプリメント製品を利用した経験があるというのです。

マグネシウム成分は人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすいと考えられていますので、普段から自分に適したサプリメントを選択して補給するように心がけましょうね。

改めて日々の食事内容を見直しながら、サプリメントもうまく活用してマグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって変形性頚椎症に伴う脊髄症にならないためにも有意義な生活を過ごせるように努めましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. 金彪:日本ペインクリニック学会第39回大会 教育講演. 日本ペインクリニック学会誌. 2005 12 3 p. 192-198.

DOI https://doi.org/10.11321/jjspc1994.12.192

2)中村 忠博, 松永 典子, 樋口 則英, 北原 隆志, 佐々木 均:酸化マグネシウム製剤の腎機能低下患者における血清マグネシウム値への影響. 日本腎臓病薬物療法学会誌.201321.p.3-9.

DOI  https://doi.org/10.24595/jjnp.2.1_3

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。