【はじめに】
五十肩は、肩関節にある腱板組織が損傷して関節包領域まで炎症が広がることによって発症し、その背景には、加齢に伴って筋肉や腱などの筋骨格系組織における柔軟性や伸展性が失われて健常に動作できなくなることが存在すると考えられています。
五十肩になると、肩甲骨と上腕骨で構成されている肩関節部に痛み症状が出現するため、腕を色々な方向に挙上するような動作が難しくなります。
特に肩関節を外側に回旋させる際には強い疼痛を自覚することになり、いつも行っている簡単な動作が難しくなり日常生活に重大な支障をきたして不便を感じる場合も少なからず存在します。
そして、これまでの数々の研究においてマグネシウムというミネラル成分の摂取量が減少することで五十肩を含めて様々な疾患に陥りやすいと考えられるようになってきましたが、我が国では日常生活内で前向きにマグネシウムを摂取している方は少ないようです。
一方では、近年において効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、五十肩を起こさないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】五十肩を引き起こす原因とは?
五十肩は、正式な病名としては「肩関節周囲炎」と表現されます。
通常では、肩関節の動きを滑らかにするために関節部位における筋肉や腱組織の周囲には、滑液包と呼ばれる液体が存在していますが、老化や加齢に伴ってこの滑液包を始めとして筋肉や腱などの肩関節周囲組織に炎症が引き起こされて痛みを自覚すると言われています。
肩関節周囲炎には腱板組織に炎症が起こる腱板炎や上腕二頭筋の一部に炎症が認められる上腕二頭筋長頭腱炎、あるいは腱板疎部と呼ばれる肩前方部位に炎症が惹起される腱板疎部炎も含まれていると考えられています。
発症する年代や臨床的な症状は個々によって異なりますが、主に50歳前後の人が罹患しやすく発症する肩は利き腕とはあまり関連性はないと伝えられています。
また、一般的には左右いずれかの肩関節に発症し両肩が同時に疼痛症状を呈することはほとんどなく、炎症を起こしている肩関節の内部組織が癒着すると可動域が制限されて肩を動かしづらくなることが知られています。
【第2章】五十肩に罹患しないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
五十肩の典型的な症状としては、肩関節や上腕部を真上に挙上する、腕を背中に回す、肩を開いて回旋させるときに全方向性への動作で痛みが出現して可動域が制限されることが自覚されます。
初期段階から肩の痛みが出現しやすいのが肩の前方部に位置する腱板疎部と呼ばれる部位であり、五十肩を罹患した直後では特に肩関節の前方部分に疼痛症状を自覚するケースが多いと言われています。
また、五十肩の場合には炎症期、凍結期、回復期という順番で症状が変動していくと考えられており、最初は強い炎症に伴う痛み症状を認めたのちに肩関節の拘縮症状が引き起こされ1)、次第にその拘縮具合も軽快していくと考えられています。
そして、マグネシウムは体内に多く含まれているミネラルの一種であり、一部の食物にも含有されていて、身体の中で補酵素や活性型物質として概ね300種類以上の酵素の働きを補助する役割を有しています。
マグネシウムが不足すると、糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームを含めた生活習慣病をはじめとして、肩こりや足のこむら返り、そして五十肩など筋骨格系組織にも様々な症状を引き起こすと伝えられています。
特に、マグネシウムというミネラル成分はカルシウムの作用を調整制御して全身の筋肉を収縮および弛緩させる役割を果たしています。
必須・主要ミネラルであるマグネシウムは身体に必要不可欠な栄養素なので、毎日の食事やサプリメントなどの栄養機能食品から充分に摂取しても悪い影響を及ぼすことはほとんどありません。
昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法が一般的にも広く普及しています。
マグネシウムは、果物や野菜、そして経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取され、特に経口マグネシウムサプリメントに関しては成人1日あたりで約350 mgの摂取量以下であれば比較的安全域であると伝えられています2)。
また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
五十肩を引き起こさないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があるでしょう。
【まとめ(おわりに)】
五十肩における特徴的な所見として、肩関節部の痛みと共に肩を挙上する、あるいは水平に保つ動作をするのが困難となるため、洗濯物が干しづらくなる、もしくは背中のファスナーが開けられないなど日常生活に支障が出現します。
仮に普段の生活で肩を動かした際に痛みを覚える、以前のようにスムーズに腕を背中側に回せない、肩が挙上しにくいなどの症状を自覚している人は、症状が悪化する前に専門医療機関を受診して相談するように心がけましょう。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない要素の代表格が、「マグネシウム」であると言われています。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけましょう。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって五十肩を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
1) 相良 優太, 乾 泰大, 山田 悠司, 小川 孝, 西川 仁史, 池田 均:Codman’s paradoxの原理を応用した肩関節拘縮に対する理学療法. 日本臨床整形外科学会雑誌. 2019 年 44 巻 1 号 p. 29-34.
DOI https://doi.org/10.15107/jcoa.O28-2
2) Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009.
DOI http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。