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三角線維軟骨複合体(以下略称、TFCC)を予防するのに今マグネシウムが注目されている?

【はじめに】

三角線維軟骨複合体(以下略称、TFCC)損傷とは、外傷として転倒後に手をつく、あるいはバトミントンなどのスポーツ活動を行って手首を捻る動作を繰り返すことで引き起こされる手首の障害であると考えられています。

TFCCとは、手首の小指側にあるぐりぐりした関節部に存在している軟部組織のことであり、この部分を損傷すれば日常的に腕をひねる動作、もしくは手首を小指側に曲げることによって手関節部の疼痛症状を自覚します。

そうすると、日常生活において患部の安静を保持して手首にサポーターを装着しながら運動を制限することが求められます。

そして、これまでの数々の研究においてマグネシウムというミネラル成分の摂取量が減少することでTFCC損傷を含めて様々な疾患に陥りやすいと考えられるようになってきましたが、我が国では日常生活内で前向きにマグネシウムを摂取している方は少ないようです。

一方では、近年において効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。

今回は、TFCC損傷を起こさないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。

【第1章】TFCC損傷を引き起こす原因とは?

TFCCは橈骨と尺骨の遠位端同士および尺側手根靭帯とを接合している靭帯の役割を担っており、前腕の遠位部に位置するこの部位が損傷してダメージを受けると手関節全体において機能的に障害が引き起こすことが懸念されています。

TFCC損傷における主たる要因としては、手関節部に対する強い衝撃や手首における過剰な負荷の繰り返し動作によって引き起こされることが知られています。

したがって、テニスなどのスポーツ競技者において手首を構成している三角線維軟骨複合体という組織が損傷を受けることでTFCC損傷を罹患する、あるいは自己転倒による外傷や繰り返される作業時に手関節を酷使することによって本疾患は発症します。

テニス以外にもバトミントンや野球などの活動に関連して発症することもありますし、例えば重い鍋を誤った方法で不適切に持ち続けるような場合でもTFCC損傷が起こると推察されています。

また、年齢を重ねて手関節部の組織が変性することで発症するケースもあれば、外傷を認めることなく尺骨が橈骨に対して長い解剖学的な異常によっても引き起こされることが時に考えられます。

【第2章】TFCC損傷に罹患しないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性

手関節部の尺側部痛を来す代表的な疾患としてTFCC損傷が挙げられ1)、特に手関節部のなかでも「尺骨茎状突起」と呼ばれる部位に局所的に疼痛を認めることがTFCC損傷における症状の特徴の一つでもあります。

TFCC損傷を患った場合における初期的な治療策は運動を中止してサポーターやギプスによって患部を固定することで局所の安静を図り、消炎鎮痛剤などの服薬治療が挙げられます。

特に、装具を用いた治療方法に関しては軟骨の変性を悪化させないため、あるいは橈骨尺骨間の可動性を正常に復帰させるためにも前向きに実践されるとよいでしょう。

疼痛症状がひどいケースでは、局所麻酔剤を含有して炎症を抑制する効果を狙ってステロイド注射を実施することで数か月単位で症状が改善することを期待しますが、仮に数か月間に渡ってこれらの保存的な治療策が奏効しない場合は手術加療が検討されます。

そして、マグネシウムは体内に多く含まれているミネラルの一種であり、一部の食物にも含有されていて、身体の中で補酵素や活性型物質として概ね300種類以上の酵素の働きを補助する役割を有しています。

マグネシウムが不足すると、糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームを含めた生活習慣病をはじめとして、肩こりや足のこむら返り、そしてTFCC損傷など筋骨格系組織にも様々な症状を引き起こすと伝えられています。

特に、マグネシウムというミネラル成分はカルシウムの作用を調整制御して全身の筋肉を収縮および弛緩させる役割を果たしています。

必須・主要ミネラルであるマグネシウムは身体に必要不可欠な栄養素なので、毎日の食事やサプリメントなどの栄養機能食品から充分に摂取しても悪い影響を及ぼすことはほとんどありません。

昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法が一般的にも広く普及しています。

マグネシウムは、果物や野菜、そして経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取され、特に経口マグネシウムサプリメントに関しては成人1日あたりで約350 mgの摂取量以下であれば比較的安全域であると伝えられています2)。

また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。

日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。

TFCC損傷を引き起こさないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があるでしょう。

【まとめ(おわりに)】

TFCC損傷とは、遠位橈尺関節を安定化させている支持組織である三角線維軟骨複合体が転倒して手をつくなどの外傷やスポーツや作業などで繰り返される過度の負担などでストレスがかかることで手関節部に疼痛症状が出現する疾患です。

尺側手関節痛の原因疾患は多岐に渡りますので、万が一普段の日常生活で手首の小指側が痛みを覚え、安静にしてもなかなか症状が改善しないという人は最寄りの手外科専門医の診察を受けて適切な治療に結び付けるように心がけましょう。

そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない要素の代表格が、「マグネシウム」であると言われています。

マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけましょう。

今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによってTFCC損傷を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

1) 西村 信哉, 伊藤 由樹, 上里 涼子, 三浦 和知, 津田 英一:手関節尺側部痛に対するスプリントの効果. 日本義肢装具学会誌. 2020 年 36 巻 2 号 p. 143-145.

DOI https://doi.org/10.11267/jspo.36.143

2) Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009.

DOI http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html

 

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。