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まだ間に合う!?認知症を予防するためにやっておくべきこと

【はじめに】

認知症とは、一度は正常レベルに発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下することで日常生活や社会活動に支障をきたすようになった状態を意味します。

本疾患は高齢になるにつれて罹患率が増加する病気であり、特に超高齢化社会を迎えている我が国では約460万人認知症患者さんがいると言われており、実に65歳以上の高齢者のおよそ20%が認知症あるいは関連疾患を発症していると伝えられています。

そして、マグネシウムはカリウムに次いで細胞質内に多く存在する電解質成分であることが知られており、マグネシウムは 300以上の酵素活性に必要なミネラルです。

普段からミネラル摂取を格段に意識している方々は皆目ほとんどおらず、特に日本人のマグネシウム平均摂取量も諸外国同様に減少していますが、認知症を予防するためにもマグネシウムは非常に重要な要素であると考えられています。

さらに近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。

今回は、認知症にならないために普段からマグネシウム製品を取り入れる重要性などについて説明します。

【第1章】認知症になる原因とは?

一般的に、人間の活動を普段コントロールしている司令塔は脳細胞であり、そこがうまく働かなければ精神活動や身体能力も低下することは周知の事実です。

認知症の原因となる病気には多種多様存在すると考えられており、現代の医学技術で治療可能な病気も含まれているため、症状が疑わしい時にはなるべく早期に適切な診断を受けることが重要な視点となります。

認知症には様々な病態が背景に存在しており、知っておきたい認知症の主たる原因として主にはアルツハイマー型認知症、前頭側頭葉変性症、Lewy小体病、血管性疾患、外傷性脳損傷、HIV感染、プリオン病、Parkinson病などが挙げられます。

例えば、アルツハイマー病では、脳内に異常なたんぱく質の蓄積がみられて神経細胞が障害されていくと考えられています。

広く知られているアルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も罹患数が多くて脳神経が変性萎縮するタイプの認知症であり、血管性認知症は脳梗塞や脳出血などいわゆる脳血管障害によって引き起こされる認知症の範疇であると言われています1)。

【第2章】認知症にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性

仮に認知症を罹患した際には、本疾患に対する治療策として主に薬による薬物療法、あるいは環境ケアやリハビリテーションによる実践的な治療が挙げられます。

現在、アルツハイマー病に対する根本的な治療効果を示す薬物はありませんが、残存している神経細胞を活性化させて症状を少しでも改善させるような治療薬は存在します。

また、血管性認知症においては、その背景に脳梗塞や脳出血など脳血管障害の原因となる高血圧や糖尿病などの病気が存在するため、そうした原疾患をきちんと制御して新たな脳血管障害を引き起こさないように常日頃から治療を実行しておくことが重要です。

認知症を薬剤により根本的に治すという治療策は現時点ではまだ確立していませんが、認知症を出来る限り予防する、あるいは症状の進行を少しでも回避するためには神経精神活動や適度な身体運動を盛んに実施するということが重要であると示唆されています1)。

そして、2017年にオランダの研究者らが血清マグネシウムは認知症リスクと関連する旨の研究報告2)を公表し、低マグネシウム血症、あるいは高血清マグネシウム値のいずれもがあらゆる認知症発症リスクを増加させる因子として関連していると発表しました。

この例からも分かるように、マグネシウムは人体にとって必須のイオンとされており、日々の健康と生活を支えて維持するのにとても有益な役割を有しています。

原則として、マグネシウムなどのミネラルそのものは基本的には体内で十分な量を作ることができませんから、食品などから摂取する必要があります。

マグネシウムはアオノリ、昆布、ヒジキなどの海藻類、大豆、納豆などの豆類、しらす干し、干しエビ、アサリなどの魚介類、アーモンドなどの種実類などに多く含まれています。

ところが、最近では必須ミネラルの栄養素である「マグネシウム」が本邦でも慢性的に摂取不足に陥っている人が増えていると頻繁に聞かれます。

万が一、食事などで十分な量を取れない場合には市販で販売されて容易に手に入るサプリメントを活用する方法もありますので認識しておきましょう。

最近では日常生活においてサプリメントを摂取する重要性は徐々に周知されており、成人に関してはマグネシウム(クエン酸マグネシウムや塩化マグネシウム)の成分を1日当たりに概ね400 mg前後を摂取することが推奨されています。

そして、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。

特にマグネシウム不足が叫ばれている本邦の日本人では、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められますね。

総合的に考慮すると、認知症を予防するためには普段から意識して食べ物やサプリメント、あるいは経皮吸収型クリーム製品などからマグネシウム成分を摂取する必要性があると言えます。

【まとめ(おわりに)】

今後も本邦では高齢化がますます進み、認知症の患者数は増加することが予想されており、2025年には65歳以上の人口の約2割を超える人々が認知症を罹患する状況になるだろうと推察されています。

認知症という病気は、いろいろな原因で脳細胞が死滅する、または機能が悪くなるために多彩な障害が起こり、日常的に生活するうえで極めて支障が出る状態です。

本疾患においては、もの忘れがひどい、物の名前などを覚えられない、今までできていたことができなくなる等の認知機能低下や言語記憶障害による症状のみならず、人格的に怒りっぽくて攻撃的になるなど認知症の行動・心理症状が認められることもあります。

認知症の原因となる病気によって予防策は異なりますが、特に血管性認知症については脳血管障害の主たる原因となる生活習慣病を予防することが重要な観点ですので、バランスのよい食事や運動習慣など規則正しい生活スタイルを送ることが肝要です。

そして、我々の体内ではミネラル成分が様々な身体機能を正常に保つために多彩な役割を担っていますが、中でも近年において認知症の予防対策として重要な位置づけとして考えられているのが「マグネシウム」です。

もし周りに認知症に関して心配している人がいたら、十分にバランスの取れた食べ物を毎日の中で規則正しく取り入れることを推奨すると同時に、特にマグネシウムを中心としたミネラル成分の栄養素を前向きに摂取するように教えてあげて下さいね。

日々の食事内容やサプリメント栄養、経皮吸収型クリームなどを上手に活用してマグネシウムの摂取方法を工夫することで認知症にならないように実り多い有意義な生活を送りましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

1)赤澤 堅造, 奥野 竜平, 一ノ瀬 智子, 田部井 賢一, 近藤 瑛佑:認知症予防を目指した楽器演奏・音楽療法. 生体医工学. 2021 Annual59 Proc p. 606-608.

DOI https://doi.org/10.11239/jsmbe.Annual59.606

  1. Kieboom BCT, Licher S, Wolters FJ, Ikram MK, Hoorn EJ, Zietse R, Stricker BH, Ikram MA. Serum magnesium is associated with the risk of dementia. Neurology 89:1716-1722, 2017.

DOI 10.1212/WNL.0000000000004517. Epub 2017 Sep 20.

DOI http://n.neurology.org/content/early/2017/09/20/WNL.0000000000004517

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。