【はじめに】
メタボリックシンドロームとは内臓脂肪が過剰に蓄積されている状態のみならず、血圧上昇や空腹時高血糖、あるいは脂質異常値などが全般的に認められる症候群を指しています。
厳密には本疾患は正式な病気として位置づけられていませんが、メタボリックシンドロームは肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病と並んで、血管の動脈硬化を悪化させて心臓病や脳卒中の危険性を高めると考えられています。
そんなメタボリックシンドロームの予防にマグネシウムが有効ということが、18~30歳の約4600人を対象にして15年間追跡調査した米国の大規模な研究などで徐々に判明してきました。
人体内で数えて7番目に多いミネラルであるマグネシウムは、生体内におけるすべてのエネルギー活動の場で重要な役割を持っていると考えられています1)。
普段からミネラル摂取を格段に意識している方々は皆目ほとんどおらず、特に日本人のマグネシウム平均摂取量も諸外国同様に減少していますが、メタボリックシンドロームを予防するためにもマグネシウムは非常に重要な要素であると考えられています。
マグネシウムは昔ながらの日本食では豊富に摂取できるものが多いとされていますが、その一方で複数のミネラルやビタミンを同時に補うことができるサプリメントなどの健康食品によってマグネシウム成分を摂取するケースも最近では散見されます。
近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、メタボリックシンドロームにならないために普段からマグネシウム製品を取り入れる重要性などについて説明します。
【第1章】メタボリックシンドロームになる原因とは?
メタボリックシンドロームは通常では日常生活内における慢性的な運動不足、偏った食事内容、あるいは睡眠不足など生活リズムの乱れ、過労やストレス、タバコ喫煙といった生活習慣が複雑に重複して引き起こされます。
特に偏った食事に関してはメタボリックシンドロームの発症に大きく関与していると考えられており、普段から適正カロリー値を過剰にオーバーした食事内容を摂取する、あるいは脂質や糖質、塩分の過剰な食物摂取には十分注意する必要があります。
また、マグネシウムの摂取不足によって虚血性心疾患、高血圧や糖尿病に罹患しやすいと思われていると同時にメタボリックシンドロ-ムを代表例とする生活習慣病になりやすいと伝えられています。
まさにマグネシウム成分は動脈硬化など様々な疾病·病態とも密接に関連しており、必要なエネルギー栄養素であるマグネシウムが生体内で不足すると、食品の体内利用に異常反応をきたしてメタボリックシンドロームに繋がる肥満症状を襲来させることに繋がるのです。
数々の生理的な代謝工程を適切に遂行するために必要とされている生体内マグネシウム成分が不足すると、インスリンと呼ばれる膵臓から分泌されるホルモンと血中ブドウ糖の量がともに飛躍的に増大して肥満体形となりメタボリックシンドローム発症に結び付きます。
【第2章】メタボリックシンドロームにならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
メタボリックシンドロームは、一般的に好ましくない生活習慣によって内臓脂肪が過剰に蓄積することで代謝異常を引き起こすことが主因となっており、その治療段階ではまず内臓脂肪を減量することが考慮されます。
通常では、いわゆる食事療法や運動療法などによって栄養過多の状態を改善することを目標として目指します。
そんな食事療法の一環として、マグネシウムは健康を維持するために必須の栄養素の一つであると言われています。
アオノリ、昆布、ヒジキなどの海藻類、大豆、納豆などの豆類、しらす干し、干しエビ、アサリなどの魚介類、アーモンドなどの種実類などにマグネシウムは多く含まれています。
近年では、食事によるマグネシウムの摂取不足が実はメタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病を発症させる重要な要因のひとつとして関連があるのではないかと議論を呼んでいます。
マグネシウムは1926年以来から生体にとって必須元素であると伝えられています2)。
原則として、マグネシウムなどのミネラルそのものは基本的には体内で十分な量を作ることができませんから、食品などから摂取する必要がありますが、食事などで十分な量を取れない場合には市販で販売されて容易に手に入るサプリメントを活用する方法もあります。
そして、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
総合的に考慮すると、メタボリックシンドロームを予防するためには、普段から意識して食べ物やサプリメント、あるいは経皮吸収型クリーム製品などからマグネシウム成分を摂取する必要性があると言えるでしょう。
【まとめ(おわりに)】
メタボリックシンドロームは、腹囲径などから内臓脂肪の蓄積状態を確認したうえで、高血圧、糖尿病、脂質異常症のうち二つ以上の異常所見がある場合に診断されます。
メタボリックシンドロームは正確に言うと病気ではないため、特有の症状を列挙することは困難ですが、一般的に内臓脂肪が増えて高血圧などがさらに悪化すると、動脈硬化が促進されて胸痛や片麻痺など何らかの深刻な症状が出現することがあります。
これまで述べてきたように、メタボリックシンドロームは好ましくない生活習慣が重なることで発症しやすいため、本症候群を予防するには普段から食生活や運動習慣、睡眠や喫煙習慣など多彩な観点から生活習慣スタイルを改善していくことが重要となります。
食事内容に関しては栄養バランスが優れており適正カロリー数を遵守したメニューを出来る限り選ぶように心がけましょう。
また、運動については適度なウォーキングなどを始めとする有酸素運動を取り入れるのが良好とされていますし、過労やストレスがたまりにくい規則正しい生活を送るように認識して、仮に喫煙する方では禁煙外来などを利用して禁煙できるよう意識しましょうね。
もし周りにメタボリックシンドロームに関して心配事を抱えている人がいたら、十分にバランスの取れた食べ物を毎日の中で規則正しく取り入れて、特にマグネシウムなどのミネラル成分の栄養素を摂取するように丁寧に教えてあげて下さいね。
仮にマグネシウムを多く含んだ食品を取り過ぎたとしても、小腸などで吸収量が調節されて、尿や汗と共に排泄される作用が働くために通常の食事においては過剰症になることはほとんどありません。
日々の食事内容やサプリメント栄養、経皮吸収型クリームなどを上手に活用してマグネシウムの摂取方法を工夫することでメタボリックシンドロームにならないように実り多い有意義な生活を送りましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
- 藏前尚子:2型糖尿病におけるマグネシウムの役割. JICD, 2015, Vol. 46, No. 1.p56-61.
DOI https://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol46/17-vol46.pdf
- 千葉百子、篠原厚子、松川岳久:マグネシウムと健康-栄養、医薬品、環境の観点から-. Biomedical Research on Trace Elements. 2011 年 22 巻 4 号 p. 59-65.
DOI https://doi.org/10.11299/brte.22.59
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。