【はじめに】
敗血症とは本来無菌であるはずの血液中に病原細菌が侵入してしまう感染症であり、血流を介して病原細菌は全身に拡がり、炎症反応を引き起こします。
敗血症の多くは急性の経過をたどり、治療が遅くなると死に至ることもあるため、早期に検査をして診断することが極めて重要になります。
そして、これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて敗血症の発症などに関与していることが判明しつつあります。
マグネシウムの欠乏が、高血圧や心筋梗塞症、心肥大、糖尿病、脳血管疾患、腎疾患の発症に関与していることが分かってきており1)、マグネシウムというミネラルは種々の生体機能に重要な役割を果たしていることが理解できます。
最近では複数のミネラルやビタミンを同時に補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も多く存在しています。
今回は、敗血症を発症しないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】敗血症とは?
敗血症とは、何らかの細菌やウイルスに感染することによって全身にさまざまな影響がおよび、心臓、肺など体の重要な臓器の機能が障害される病気のことです。
特に高齢者や新生児、ステロイドや免疫抑制剤などを服用中の患者、悪性腫瘍や糖尿病、肝硬変、自己免疫性疾患といった特定の慢性疾患がある場合など免疫力が低下している人は敗血症に陥るリスクが通常よりも高くなります。
重症敗血症/敗血症性ショックの病態生理の解明は最近大いに進歩し,感染を契機に外因性の病原微生物由来のpathogen-associated molecular patternsや内因性のdanger-associated molecular patternsが認識されて炎症性サイトカインが産生されることが病態の基本であると理解されるようになりました1)。
通常の感染症は、喉、鼻、気管、腎盂など病原体の感染が生じた一部の臓器に症状が引き起こされますが、敗血症においては、炎症が全身に広がることで局所的な症状のみではなく、体温の異常な上昇や低下、心拍数の上昇、呼吸数の増加など全身症状が現れます。
敗血症では、全身の主要な臓器機能が低下していき、生命を脅かすような低血圧に陥る敗血症性ショックという重篤な状態に進行していくこともあり、早急に適切な検査や治療を行わなければ命を落とすケースも少なくありません。
【第2章】敗血症を改善させるためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
敗血症の治療は、根本的な原因となっている感染症に対する治療と全身の状態を改善するための治療の二本立てで行っていくのが原則です。
感染症の根本的な治療としては、速やかに病原体に適した抗微生物薬(基本的には抗菌薬)の投与を行うことが重要です。
また、重大な感染症の場合は感染によってダメージを受けた部位や感染巣を直接的に取り除くドレナージ手術などが実施されるケースも少なくありません。
感染症そのものの治療には、原因となっている病原体が細菌であれば抗菌薬、ウイルスであれば抗ウイルス薬、真菌であれば抗真菌薬など、感染した微生物に応じて有効的な薬物が適用されます。
そして従来から、本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで敗血症など様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
これまでに数々の研究で、マグネシウムに関する代謝が高血圧、脂質代謝異常、虚血性心疾患や不整脈、そして心不全や心肥大などの循環器疾患の成因と病態に関与している可能性が指摘されてきました2)。
マグネシウムは、人体にとって必須のイオンとされており、日々の健康と生活を支えて維持するのにとても有益な役割を有しています。
マグネシウムは脳や骨格筋のみならず、心臓など様々な臓器においても重要な生理学的役割を果たしていると信じられています。
最近では必須ミネラルの栄養素である「マグネシウム」が慢性的に摂取不足に陥っている人が増えていると頻繁に聞かれます。
通常では、マグネシウムは日々の生活において例えば飲酒時などにも消費されますし、食事から得られる糖質成分をエネルギーとして燃焼させるときにも大量に使用されることが知られています。
生命の基礎ミネラルとも言えるマグネシウムが不足すると、様々な体調不良を引き起こし、敗血症の罹患などに繋がる可能性が伝えられています。
日々の中でサプリメントを摂取する重要性は徐々に周知されており、成人に関してはマグネシウム(クエン酸マグネシウムや塩化マグネシウム)を大体400 mg/日程度摂取することが推奨されています。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。
通常では、サプリメントの容器には摂取量程度しか記載されていないことが多いため、飲むタイミングはいつが望ましいのか迷ってしまう人も多いです。
基本的には、いつどのようにサプリメントを飲んでもいいのですが、まずは食後に1日の目安量を分けて飲んでみることをお勧めします。
【まとめ(おわりに)】
敗血症とは、感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態であり、代表的な感染症としては、肺炎などの呼吸器感染症、腎盂腎炎といった尿路感染症、腹膜炎などが挙げられます。
敗血症は軽度な感染症から進行することもあるため、特に基礎疾患を有する方や免疫機能が低下している場合にはできるだけ早く専門医療機関を受診することが重要です。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって敗血症を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
【引用文献】
1) 平澤 博之:重症敗血症/敗血症性ショックの今日的病態生理と持続的血液濾過透析(CHDF)によるその制御. 日本救急医学会雑誌. 2011 年 22 巻 3 号 p. 85-116
DOI https://doi.org/10.3893/jjaam.22.85
2)建田 早百合, 羽根田 俊, 中村 泰浩, 石田 裕則, 小川 裕二, 菊池 健次郎:慢性透析患者の動脈硬化および虚血性心疾患の成因に関わる血中イオン化マグネシウムの意義. 日本透析医学会雑誌. 1999 年 32 巻 3 号 p. 175-184
DOI https://doi.org/10.4009/jsdt.32.175
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。