「妊娠中のこむら返り・足がつる症状を軽減するためのマグネシウム摂取」研究論文
アメリカ医学研究論文
文献(米国国立医学図書データベース)
妊婦・妊娠中のこむら返り(腓返り)・足がつる原因と予防はこちら
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研究概要
2011年タイ・チュラロンコン大学医学部において、経口よりマグネシウムを摂取することにより、妊婦・妊娠中のこむら返り、足がつる症状などにどのような影響があるかを確認する実験。(二重盲検無作為化プラセボ対照試験)
背景
こむら返り・足がつる症状は妊娠後期、約半数の妊婦が夜間に経験している。その結果、睡眠時間が減少し(睡眠障害含む)、分娩の長期化と手術分娩率の増加につながっている。
この状況を改善するための方法論として、体内にある電解質のバランスを改善するマグネシウムの吸収がどう影響するかを調査。
実験内容
週に2回以上、こむら返り・足がつる症状を経験している妊娠14-34週の健康な妊婦80名(平均年齢28.7歳)を被験者とし、41名にビスグリシン酸マグネシウムキレート(300mg/日)、39名にプラセボを割り当て4週間継続投与。被験者にこむら返りの発生回数、その特徴、けいれんの強さ(100mmスケールで視覚化)などを記録してもらい、その結果を分析。
結果
マグネシウム投与グループは、こむら返り数が半分以上減った人の割合が86%とプラセボと比較して圧倒的に有意な効果が見られた。(平均変化率79%)
けいれんの強さも半分以上減った人の割合が69.8%と有意に減少。
マグネシウムの摂取は、妊婦・妊娠中のこむら返り・足がつる症状の頻度と強度を改善するために有効であると考えられる。
妊婦・妊娠中のこむら返り・足がつる症状を改善するためのマグネシウム研究はほとんどなかったが、妊婦の睡眠時間を減少させ(睡眠障害含む)、分娩の長期化と手術分娩率の増加を招くこの症状を改善するために、マグネシウムの有効性が実証されたことは評価される。
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著者について
早稲田大学理工学部卒業後、栄養関連の商品開発・情報編集などに15年以上従事。固定観念に囚われず、世界の新しい情報をいち早くキャッチし、既存のデータと組み合わせて新しい付加価値を生み出すことを心がけている。
趣味は、欧米の臨床試験データや研究論文を貪り読むこと。