「急性偏頭痛(片頭痛)の緩和に対する硫酸マグネシウムとデキサメタゾン/メトクロプラミドの治療効果の比較」研究論文
The Journal of Emergency Medicine -2015年1月
According to the results, magnesium sulfate was a more effec…
研究概要
アメリカ・ハーバード大学公衆衛生学部と、イラン・シャヒドベヘシュティ医科学大学の研究医たちにより、急性偏頭痛(片頭痛)の緩和に対する硫酸マグネシウムとデキサメタゾン/メトクロプラミドの併用の効果を評価および比較することを目的として行われた実験。
背景
偏頭痛を緩和するために現在使用されている治療法(代表的な鎮痛薬であるデキサメタゾン/メトクロプラミド)の有効性については意見が分かれており、検討の余地がある。
実験内容
救急対応の70人の偏頭痛患者をランダムに2つの治療グループに分け、1グループには硫酸マグネシウムを投与、もう1グループにはデキサメタゾン/メトクロプラミドを投与し、投与20分後、1時間後、2時間後における痛みの重症度を数値評価尺度(NRS)を使用して評価。
結果
デキサメタゾン/メトクロプラミド群では、 20分後、1時間後、および2時間後において痛みの重症度(平均±標準偏差)は7.4±1.4(p = 0.36)、6.0±2.4、および2.5±2.9(p <0.0001)だったのに対し、硫酸マグネシウム群では、それぞれ5.2±1.7、2.3±1.9、および1.3±0.66と、硫酸マグネシウム群のほうがデキサメタゾン/メトクロプラミド群に対して偏頭痛の重症度が有意に軽減された。
急性偏頭痛(片頭痛)の治療において、デキサメタゾン/メトクロプラミドの投与と比較して、硫酸マグネシウム投与の方がより効果的かつ速効性があることがわかった。
偏頭痛(片頭痛)とは頭痛の一種で、偏頭痛・片頭痛と二つの表記の仕方があります。発作的に起こり、脈打つような痛みや嘔吐などの症状を伴うのが特徴。頭の片側のみ現れる頭痛のみを指すものではなく、軽度から激しい頭痛、体の知覚の変化、吐き気と[…]
著者について
早稲田大学理工学部卒業後、栄養関連の商品開発・情報編集などに15年以上従事。固定観念に囚われず、世界の新しい情報をいち早くキャッチし、既存のデータと組み合わせて新しい付加価値を生み出すことを心がけている。
趣味は、欧米の臨床試験データや研究論文を貪り読むこと。