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マグネシウムと肝臓病・脂肪肝による死亡リスクの関係

「マグネシウムの摂取と肝臓病・脂肪肝による死亡率:第3回米国国民健康栄養調査コホートの結果」研究論文

Scientific Reports-2017年12月

研究概要

アメリカで3万人以上の人を調査し、マグネシウムを摂取した人(100mg/日)とそうでない人との違いを比較。マグネシウムを摂取した人は、肝臓病・脂肪肝による死亡リスクが49%低いことが分かった。

背景

脂肪肝疾患の人は、マグネシウムが不足している傾向が高いが、マグネシウムの摂取と肝臓病による死亡リスクとの関連を詳しく調査した研究は今までなかった。

実験内容

1988年から1994年まで、米国疾病対策予防センター(CDC)の国立衛生統計センター(NCHS)によって実施され、2ヶ月以上にわたり33,994人が調査に参加。
参加者の総マグネシウム摂取量と肝臓病による死亡率との関係を評価。追跡期間の中央値は14.6年。

結果

全体的なマグネシウム摂取量は、肝臓病による死亡リスクの低下と有意に相関しており、マグネシウム摂取量が100 mg増加するごとに、肝疾患による死亡のリスクが49%減少することが明らかになった。

アルコール飲酒者と脂肪肝患者の間でその傾向がより強く、マグネシウムの摂取量が多いほど、特にアルコールを飲む人や脂肪肝の人の肝臓病による死亡リスクを減少させる可能性を示唆している。

 

考 察
マグネシウムの摂取は、肝臓病の死亡リスクを低下させることが分かった。また、マグネシウムの摂取量が多いほど、特にアルコールを飲む人や脂肪肝の人の肝臓病による死亡リスクの低下に関連する可能性があることを示唆している。

コホート研究とは

現時点(または過去のある時点)で、研究対象とする病気にかかっていない人を大勢集め、将来にわたって長期間観察し追跡を続けることで、ある要因の有無が、病気の発生または予防に関係しているかを調査すること。

著者について

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早稲田大学理工学部卒業後、栄養関連の商品開発・情報編集などに15年以上従事。固定観念に囚われず、世界の新しい情報をいち早くキャッチし、既存のデータと組み合わせて新しい付加価値を生み出すことを心がけている。
趣味は、欧米の臨床試験データや研究論文を貪り読むこと。