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鼠径ヘルニアを予防するのに今マグネシウムが注目されている?

【はじめに】

「鼠径ヘルニア」とは、鼠径部(足の付け根あたり)に生じるヘルニアの総称であり、通称「脱腸」とも呼ばれている病気で、ヘルニアは体の組織や臓器が本来あるべき部位からはみ出した状態です。

鼠径ヘルニアでは、腸や腸を覆う脂肪組織、卵巣、膀胱などが腹壁に生じた欠損部を通して飛び出すことが知られていて、腹部に生じるヘルニアの約80%は鼠径ヘルニアと言われています。

そして、マグネシウムはミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、生体のエネルギー産生機構に深く関与していると考えられています。

以前から我が国では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。

そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。

今回は、鼠径ヘルニアにならないために日常生活でマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。

【第1章】鼠径ヘルニアとは?

鼠径ヘルニアはあらゆる年齢で起こり得る病気ですが、子どもと高齢者に多くみられる傾向があり、特に男性に多く発生します。

鼠径ヘルニアの原因には、先天性(生まれつき)、および後天性(生まれた後に起こる)の要素が考えられていて、子どもに生じる鼠径ヘルニアのほとんどが先天性、大人に生じる鼠径ヘルニアの多くは加齢、あるいは生活習慣など後天性のファクターによって発症します。

子どもの鼠径ヘルニアの多くは生後1年以内に発症します。

特に、子どもの鼠径ヘルニアの場合は、腹膜の出っ張りである腹膜鞘状突起(胎児が生まれる前に、腹膜の一部が鼠径部に突出することで生じる小さな袋状の突起)という構造が鼠径部に残存していることが原因と考えられています。

この腹膜鞘状突起は、通常では出生前に自然に閉鎖しますが、出生後も閉鎖せずに残った状態で、過剰な腹圧などによって腹膜鞘状突起の内部に内臓が入り込むことで鼠径ヘルニアを発症すると言われています。

特に幼少期女児鼠径ヘルニア例の約20%程度に子宮付属器が脱出する滑脱ヘルニアが起こることがあり、卵巣の捻転壊死を合併することもあると言われています1)。

成人の鼠径ヘルニアの原因は、主に加齢に伴って腹壁が脆弱になることであり、腹壁部分が弱くなると咳嗽や重いものを持って腹部に圧力がかかることによって腹圧が上昇して内臓が飛び出すようになります。

一般的に、鼠径ヘルニアには通常、外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアの3種類が存在し、鼠径部のどの部分にヘルニアが発生するかによって、分類されています。

鼠径ヘルニアでは、内臓の脱出所見に伴って鼠径部に膨らみができて、鼠径部の違和感や不快感、痛みなどの症状が出現します。

立っているときや腹部に力を加えた際に、鼠径部に膨らみができ、不快感や違和感、あるいは痛みが出現しますが、横になると圧が低下して内容物が腹部内に自然に戻るので鼠径部の膨らみや違和感が消失するという症状は、鼠径ヘルニアに特徴的です。

鼠径ヘルニアはお腹の中にある腹膜や腸の一部が鼠径部から出てくる病気で、初期症状であれば痛みなどはありませんが、初期症状を放置すると病状が進行する恐れがあります。

立位時や腹部に力が入って加圧された際に、鼠径部の皮膚の下から柔らかい腫れが出て、その腫大部を用手的に押さえて簡単に引っ込むようであれば初期症状と考えられます。

ところが、柔らかかった腫れが急に硬くなり、押さえても引っ込まなくなれば、嵌頓(かんとん)という状態を起こして、鼠径部の強い痛みや嘔吐症状などが出現し、緊急手術が必要になることもあります。

【第2章】鼠径ヘルニアにならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性

鼠径ヘルニアの多くは、重い荷物を持った際など腹圧がかかったときにヘルニア内容物が飛び出して、仰向けに安静にするとふくらみが引っ込みますが、放置するとヘルニア門が次第に大きくなっていき、内臓がはまりこんで元に戻らない状態となることが考えられます。

腸管などヘルニア内容物が嵌頓すると、稀に腸管を栄養する血流が途絶えて腸閉塞や腸の壊死が起こり、腹部違和感や嘔吐、発熱、鼠径部の強い痛みなどの症状が現れて、重症になると緊急手術が必要となります。

あらかじめ根治的に手術療法で鼠径ヘルニアを治しておくことが重要であり、嵌頓する前であれば日帰り手術などで対応できる専門施設もあるため、病状が進行して悪化することを予防する為に適切なタイミングで確実に治療することをお勧めします。

そして、マグネシウムの生理的な効果としては、エネルギーの生成やタンパク質の合成、神経・筋肉のコントロール、心機能や血圧調整などが挙げられます。

人体内で数えて7番目に多いミネラルであるマグネシウムは、生体内におけるすべてのエネルギー活動の場で重要な役割を持っていると言われています2)。

マグネシウムというミネラルは、全身の筋肉自体を弛緩させる作用も期待されています。

一般的に、マグネシウムを豊富に含む食材は大豆や豆腐などの豆類のほかに海藻類などが挙げられる以外にも、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども有名なマグネシウム成分の供給源となっています。

特に、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。

生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されています。

同様に、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。

日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。

こうした観点から、鼠径ヘルニアを引き起こさないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。

【まとめ(おわりに)】

鼠径ヘルニアは、腸管や脂肪など腹腔内容物が、腹壁に生じた脆弱な欠損部を通じて飛び出す状態を指しており、左右の太腿の付け根部分に発生します。

鼠径ヘルニアは、一般的には「脱腸」とも言われていて、中年以降の男性や子供に多く、放置すると徐々に病変が大きくなることがあります。

鼠径ヘルニアの代表的な症状は、立ち上がった場合や腹圧を加えた場合に足の付け根部分がふくらみ、不快感や痛みが発生し、万が一腸管がヘルニア門にはまり込み壊死する、あるいは腸閉塞を合併すると緊急的な手術が必要になります。

鼠径ヘルニアを放置すれば症状が悪化して、日常生活や仕事など社会生活に重大な支障を来たす可能性がありますので、心配であれば外科など専門医療機関を受診しましょう。

そして、私たちの体内に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラル成分の代表格が、「マグネシウム」です。

ストレスが過剰にかかる現代ではマグネシウム摂取量そのものが不足傾向であると指摘されており、鼠径ヘルニアに陥らないためにも常日頃のマグネシウム摂取が重要です。

今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって鼠径ヘルニアを引き起こさないためにも有意義な生活を過ごしましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

【引用文献】

1) 鷲見 悠美, 宮下 昭太, 黒澤 和子ら:滑脱型鼠径ヘルニアによる子宮付属器の変化を腹腔鏡下に診断した1例. 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌. 2021 年 37 巻 2 号 p. 54-57

DOI https://doi.org/10.5180/jsgoe.37.2_54

2) 藏前尚子:2型糖尿病におけるマグネシウムの役割. JICD, 2015, Vol. 46, No.1.p56-61.

DOI https://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol46/17-vol46.pdf

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。