【はじめに】
片側顔面痙攣とは、眼の周りの筋肉が繰り返し収縮する病気であり、眼の周りがぴくぴくと痙攣したり口角がひきつったりする症状が現れて、病状が悪化すると顔全体に症状が広がる可能性があるので早期の治療が必要です。
適切に治療、あるいは予防するためにも、片側顔面痙攣に関して正しい病気の情報を把握する必要があります。
そして、マグネシウム成分は筋骨格系組織の運動などに関与している主要ミネラルであると考えられています。
ところが、我が国でも日常生活内で前向きにマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、これまでにもマグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
また、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、片側顔面痙攣にならないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】片側顔面痙攣とは?
片側顔面痙攣とは、まぶたや頬などの眼の周囲の筋肉が、ご自分の意思とは関係なく繰り返し収縮する病気であり、初期症状は眼の周りから始まりますが、悪化すると口角など顔全体に広がる可能性があります。
片側顔面痙攣は、50~70歳代の女性に多く見られる点が特徴であり、一般的に男性よりも女性において罹患者が多く、この病気の発症者の約7割が女性です。
この病気は、主にまぶたの痙攣、口角が意図せずに上がるなどの症状が認められます。
まず症状として現れるのが眼瞼部の痙攣であり、左右どちらかの上まぶたや下まぶたが、ぴくぴくと痙攣するようになって、悪化するとまぶただけでなく、口周りの筋肉までも痙攣することもあります。
口角にまで痙攣運動の影響が及ぶと、口角が意図せず上がるような症状が現れて、これらの症状は人前で緊張する時などに見受けられやすい傾向があります。
片側顔面痙攣が発症する原因は、明確に判明していませんが、主に脳の異常や過労、ストレスなどが挙げられます。
血管による神経の圧迫が発症原因となることもあって、片側顔面痙攣を発症する人は、脳幹から伸びる顔面神経の一部分が血管によって圧迫されていることで、神経に異常な信号が出て間違った命令が筋肉に伝わり、不随意な筋肉の収縮が起こると考えられています。
それ以外にも、発症原因としては、緊張・仕事の疲れ・強い閉眼運動などからストレスが貯留して脳の神経細胞に異常を認める影響で片側顔面痙攣を発症する場合もあります。
【第2章】片側顔面痙攣にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
片側顔面痙攣は、症状を放置していても自然に治ることはありませんが、適切な治療を受ければ症状をいくぶんか改善させることが出来ますし、特に症状が軽い初期の段階であれば、実施できる治療の選択肢も広いです。
根本的な治療方法は、現在も確立されていませんが、ボトックス注射や薬物療法、手術療法などを含めた対応策を検討します。
特に、治療手段として第一に選択されていることが多いのがボトックス注射であり、筋肉の働きを抑える効果が期待できるボツリヌス菌を投与して症状の改善を期待します。
ボトックス注射における治療時間は非常に短く比較的即効的に効果を得られる点が特徴のひとつですが、永久的に効果が得られるわけではないため注意が必要です。
片側顔面痙攣に対しては、根治療法として微小血管減圧術(microvascular decompression: MVD)が広く行われています1)。
手術治療では、圧迫されている神経付近を切開して、顔面神経に触れている血管を直接剥離して移動させることで片側顔面痙攣の症状改善を図ります。
そして、全身の骨密度や筋肉強度を高める、あるいはストレスに対する精神的安定性を得るためにはマグネシウムなどの主要ミネラルもたくさん摂取する必要があると言えます。
昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法が一般的にも広く普及しています。
マグネシウムは、果物や野菜、そして経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取され、特に経口マグネシウムサプリメントに関しては成人1日あたりで約350 mgの摂取量以下であれば比較的安全域であると伝えられています2)。
また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
片側顔面痙攣にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
片側顔面痙攣の症状が進行する速度には個人差もありますが、比較的緩やかであり年単位で悪化するケースが多いです。
重度の場合は進行速度が速い場合もあって、症状を放置していると気づかないうちに病状が悪化していることも考えられるため、少しでも初期症状や違和感を自覚する際には、早めに脳神経外科など専門医療機関を受診しましょう。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」であると言われています。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって片側顔面痙攣を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
【引用文献】
1) 宇津木 聡:片側顔面痙攣の微小血管減圧術後再発例に対して芍薬甘草湯が有効であった1例. 脳神経外科と漢方. 2022 年 7 巻 1 号 p. 57-60
DOI https://doi.org/10.57364/jnkm.7.1_57
2) Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009.
DOI http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。