【はじめに】
もともと膵臓には様々な種類の内分泌(ホルモン)の機能を持つ細胞があり、その種類によって、ガストリンを産生する細胞が腫瘍化した場合は「ガストリノーマ」と呼称しています。
そして、生体の代謝機構を含めた恒常性を維持するために、マグネシウムは広範囲にわたって深く機能していると考えられてきました1)。
これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えてガストリノーマを含む腫瘍性疾患の発症などに関与していることが判明しつつあります。
従来から本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、ガストリノーマにならないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】ガストリノーマとは?
「がん」と呼ばれる悪性腫瘍には様々な種類があります。
その中でも、神経内分泌細胞が腫瘍となったものを神経内分泌腫瘍と呼んでいて、わが国では神経内分泌腫瘍の多くが膵臓に発生します。
神経内分泌腫瘍 (英語表記:neuroendocrine tumor/neoplasm、英語略称:NET/NEN)とは内分泌細胞に由来する腫瘍であり、主にホルモンやペプチドを分泌する細胞のことで、全身に分布するため、腫瘍も全身の臓器に発生します。
神経内分泌腫瘍のなかで、消化器に発生するものが約60%、肺や気管支に発生するものが約30%を占めており、消化器のなかでは特に膵臓や直腸に発生するものが最も頻度的に多いと認識されています。
特に、ガストリノーマは、膵島細胞から発生する膵内分泌腫瘍の一種であり、ガストリノーマの患者の大半では、膵臓や十二指腸の内部やその周囲に数個の腫瘍が群がって発生しています。
また、ガストリノーマは十二指腸だけでなく、体内の他の部位のガストリン産生細胞から発生することもあり、ガストリノーマのほとんど多くは、膵臓または十二指腸壁に発生しますが、残りは脾門、腸間膜、胃、リンパ節または卵巣に発生すると報告されています。
約50%の患者では複数の腫瘍がみられ、ガストリノーマは通常であれば直径1cm未満と比較的小さく、腫瘍の増殖スピードは緩徐であり、約半数の割合で悪性例であると考えられています。
ほとんどのガストリノーマは消化性潰瘍の症状を呈し、一部の患者は下痢や食道炎を認める傾向があります。
【第2章】ガストリノーマにならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
ガストリノーマの基本的な治療方法としては、胃酸分泌抑制、病変限局例には外科的切除、腫瘍転移例には化学療法が行われます。
胃酸分泌抑制作用を発揮するオメプラゾールまたはエソメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬が第一選択薬であり、症状が消失して胃酸分泌が低下した時点で用量を漸減していくこともあります。
一定の維持量を投与する必要性があり、患者は手術を受けなければこれらの薬剤を無期限に服用する必要があると考えられます。
また、オクトレオチド注射剤100~500μg(皮下注射を1日2回~1日3回)を投与することによっても胃酸分泌が低下することがあります。
オクトレオチド注射剤は、プロトンポンプ阻害薬が奏効しない患者において潰瘍に伴う症状が改善する可能性があります。
明らかな転移所見のない患者例では、外科的切除を試みることも検討されます。
手術時には、十二指腸切開術と術中の内視鏡光源の管外からの透見または超音波検査が腫瘍の局在診断に役立ち、ガストリノーマが多発性内分泌腫瘍症(MEN)の一部でなければ,患者例のおよそ20%の確率で外科的切除によって症状が治癒する可能性が期待できます。
そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、実際にエネルギー産生機構に深く関与しております。
マグネシウムは、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程以外にも遺伝情報の発現、免疫機能の維持などにも寄与していますから、マグネシウムが生体内で欠乏すると低免疫状態からガストリノーマを含む腫瘍性疾患の罹患リスクが上昇すると考えられます。
通常では、マグネシウムは主に植物性・動物性食物、そして飲料に広く含まれているとされており、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども優れたマグネシウム成分の供給源となり得ます。
一方で、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されているのです。
また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じずに適量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、ガストリノーマに罹患しないためにも普段から最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
ガストリノーマは、通常は膵臓または十二指腸(小腸の最初の部分)に発生してガストリンというホルモンを過剰に分泌する腫瘍です。
ガストリノーマに対する薬物療法としては、ストレプトゾシンや分子標的薬が使用されますし、胃酸分泌を抑制するために、プロトンポンプ阻害薬が非常に有用であり、消化管潰瘍などに伴う症状のコントロールができると考えられます。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要です。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによってガストリノーマを引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
【引用文献】
1)福生吉裕:マグネシウム製剤の臨床治療への有効性. 東京未病研究会雑誌. 1995 年 1 巻 1 号 p. 20-28.
DOI https://doi.org/10.11288/mibyou1995.1.20
2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1例.心臓. 2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_50-S1_54.
DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。