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カルシウムとマグネシウム(カルマグ比)

カルシウムとマグネシウムの比率(カルマグ比)

カルマグバランス

ミネラルの中で、カルシウムとマグネシウムは人間にとって欠かせない要素です。

生体年齢は、細胞内のマグネシウムとカルシウムの比率によって決まるとも言われています。

2:1

カルシウムとマグネシウムは常に拮抗して働き、その割合はカルシウム2:マグネシウム1がベストです。しかしながら、マグネシウム摂取の不足、カルシウムの相対的な摂取過剰により、そのバランスが崩れることが様々な問題を引き起こすことが分かってきています。

カルシウムとマグネシウムの実験

カルシウム錠剤を粉砕し、その粉末が1オンス(約28g)の水にどれだけ溶けるか実験をすると、一部のカルシウムは溶けますが、溶けずに残ったカルシウムが沈殿して残ります。
その後、マグネシウムの錠剤を粉砕し、ゆっくりとカルシウム水に混ぜます。マグネシウムを入れると、残って沈殿したカルシウムが溶け、水溶性になります。

血流、心臓、脳、腎臓、体内のすべての組織でも同じことが起こります。カルシウムを溶かすため、十分なマグネシウムがなければ、カルシウム過剰により様々な症状を引き起こす可能性があります。(筋肉痙攣、線維筋痛、動脈硬化など)

カルシウムに対するマグネシウムの役割

マグネシウムの細胞での働き

マグネシウムは、全ての細胞内に存在し、カルシウムを始めとするミネラルの細胞への出し入れをコントロールする役割を果たしています。

マグネシウムは、細胞内にカルシウムの何千倍もの濃度で存在し、必要な電気伝達を行うため、決まった量のカルシウムだけを入ることをマグネシウムが許可し、一旦作業が終わったら、すぐにカルシウムを放出します。

カルシウムはどこに存在しているか

体にとって重要な栄養素であるカルシウムですが、実は常に細胞の中に存在している訳ではありません。

カルシウムは、マグネシウムにより細胞膜の内外への出し入れをコントロールされ、役目が終わるとすぐに細胞の外に排出されるのです。カルシウムが細胞内に留まると石灰化し、様々なトラブルを引き起こしてしまうからです。

Garry Gordon博士の論文より

「通常、細胞の外側には内側の1万倍の量のカルシウムがあるため、これが侵されると、細胞内のカルシウムが急激に増えてしまいます。この状態は、人が死ぬときに起きています。

細胞内カルシウムが上昇するたびに、マグネシウムの相対的な欠乏が起きるため、急病や慢性病の場合は、体をマグネシウム補給してあげることが、治療方法の一つでなければなりません。」※

※引用データ

カルシウムとマグネシウム

カルシウムの役割として、筋肉を縮める作用を持っていますが、逆に拮抗して働くマグネシウムは、筋肉を緩める作用を持っています。

カルマグバランスが崩れると、筋肉がうまくバランスを取ることができず、痙攣や攣りがが起こりやすくなります

血管の中にある「平滑筋」という筋肉を緩めるのもマグネシウム

平滑筋
平滑筋の細胞(Wikipediaより)

血管を柔軟に保ち、体の血液の流れをよくするためにもマグネシウムは不可欠です。

私たちの体内のカルマグ比

カルマグ比

理想のカルマグ比は2:1ですが、食事からのマグネシウム摂取率が減ったり、現代生活における様々な状況(ストレス、タバコなど様々)においてマグネシウムが使われてしまうため、実際の体内のカルマグ比は私たちが考えているほど良くありません

イギリスにおけるWatkins博士・Josling博士の実験※

マグネシウムオイル(31%塩化マグネシウム使用)を経皮吸収させ、被験者の細胞マグネシウム値がどう変化するかを実験をしたものですが、被験者9名(男性2名・平均年齢46歳、女性7名・平均年齢51歳)の毛髪細胞内カルマグ比は以下のようなものでした。

被験者1被験者2被験者3被験者4
Ca:1Mg
(実験前)
12.315.321.912.1
Ca:1Mg
(実験後)
10.812.213.37.8
被験者5被験者6被験者7被験者8被験者9
46.823.520.023.520.2
33.920.614.119.85.0

※引用データ

実験後のカルマグ比は改善されているため、この実験における経皮からのマグネシウム吸収は成功したと言えますが、被験者のカルマグ比をみると押し並べて2:1(Ca:1Mg=2)と比較すると大きくカルシウム過多になっていることが分かります。最大で46.8:1、最小でも12.1:1。被験者は無作為に抽出されていますので、現代の生活においてはカルマグ比が大きく崩れている可能性が高いと言えます。

 

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著者について

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早稲田大学理工学部卒業後、栄養関連の商品開発・情報編集などに15年以上従事。固定観念に囚われず、世界の新しい情報をいち早くキャッチし、既存のデータと組み合わせて新しい付加価値を生み出すことを心がけている。
趣味は、欧米の臨床試験データや研究論文を貪り読むこと。