【はじめに】
髄膜炎という病気は中枢神経系に炎症をきたした病態であるとされており、恒久的な脳損傷による重篤な後遺症を残す可能性がある注意を払うべき疾患です1)。
本疾患では、脳や脊髄の表面を覆う髄膜と呼ばれる部位に細菌やウイルスなどの病原体が侵入して感染を引き起こす、あるいは悪性腫瘍や自己免疫疾患などによって髄膜部に炎症を惹起すると伝えられています。
そして、これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて髄膜炎を含む感染症疾患の発症などに関与していることが判明しつつあります。
従来から本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、髄膜炎にならないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】髄膜炎になる原因とは?
髄膜と脳脊髄の間のスペースには脳脊髄液と呼ばれる液体が常に循環しており、通常の場合には脳脊髄液が還流している空間はとても清潔な環境で保たれています。
ところが、外傷や病気などを契機に髄液中に病原体や出血病変、あるいは炎症反応を引き起こす悪性腫瘍細胞などが侵入することで髄膜炎が発症すると考えられております。
髄膜炎のほとんどは感染症が原因で起こると言われていますが、細菌感染によって起こる細菌性髄膜炎と細菌感染とは直接的に関係しない無菌性髄膜炎の2種類に分類することができます。
いわゆる細菌性髄膜炎の場合には、肺炎球菌や大腸菌など一般的な感染症を引き起こしやすい原因菌によって発症することが多く、体内の別部位で感染症を起こしている細菌が血液の流れに乗じて髄液内にも侵入することが主要因であると考えられています。
それ以外にも副鼻腔や耳など頭蓋内に近い場所に重篤な炎症性病変が生じることで解剖学的に近傍に位置する髄膜部位に感染が波及するケースも少なくありません。
その一方で、無菌性髄膜炎の場合には単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、あるいは真菌などの細菌以外の病原体により発症すると言われています。
他にも癌細胞が髄液中に入り込むことで炎症を惹起する癌性髄膜炎、あるいは脳や髄膜の細胞自体を直接的に侵襲する自己抗体と呼ばれるたんぱく質が産生されることで発症する自己免疫性髄膜炎なども知られています。
【第2章】髄膜炎にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
髄膜炎を予防するには、体内の別部位の感染症を発症した際に適切な治療を迅速に介入することが重要な視点となりますし、特に副鼻腔炎や中耳炎などの治療中はそれらの疾患を完治できるように心がけましょう。
さらに、髄膜炎を引き起こす原因菌としてよく周知されている肺炎球菌など定期接種に推奨されているワクチンが実在する感染症については、適切な時期に確実にワクチン接種を受けることで髄膜炎の発症を出来る限り未然に予防することが可能であると考えられます。
そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、実際にエネルギー産生機構に深く関与しております。
マグネシウムは、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程以外にも遺伝情報の発現、そして免疫機能の維持などにも寄与していますから、マグネシウムが生体内で欠乏すると低免疫状態から髄膜炎のリスクが上昇すると考えられます。
通常では、マグネシウムは主に植物性・動物性食物、そして飲料に広く含まれているとされており、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども優れたマグネシウム成分の供給源となり得ます。
一方で、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されているのです。
同様に、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、髄膜炎にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
髄膜炎は発症すると発熱や頭痛、さらには嘔吐などの症状を引き起こします。
いったん重症化すると意識障害やけいれん発作などの重篤な神経症状を引き起こすこともあり、特に細菌性髄膜炎は急激に悪化して致命的に陥る場合も報告されているために早期発見が重要な観点となります。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって髄膜炎を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
- 中嶋 秀人:髄膜炎・脳炎の診断と治療. 神経治療学. 2021 年 38 巻 6 号 p. S235.
DOI https://doi.org/10.15082/jsnt.38.6_S235
2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1例.心臓. 2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_50-S1_54.
DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。