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脳梗塞を発症した人がマグネシウムを摂取する意義

【はじめに】

それぞれのミネラルは、体の機能を正常に保つために様々な役割を担っています。

マグネシウムは人体内では7番目に多いミネラルであると言われています1)。

そして、マグネシウムの欠乏が高血圧や心筋梗塞症、糖尿病、脳血管疾患、腎疾患の発症に関与していることが分かってきており、マグネシウムというミネラルは種々の生体機能に重要な役割を果たしています2)。

マグネシウムは特に、脳や心臓、そして筋肉部位において重要なミネラルであり、不足すると代表として脳卒中などにつながりやすい栄養素であることが分かってきております。

さて、今回はそんな重要視されているマグネシウムと近年本邦でも生活習慣病に関連した脳卒中の中でも特に脳梗塞に関して話題を取り上げたいと思います。

脳梗塞を避けるには、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの危険因子をしっかり管理することが重要です。

また、禁煙や体重管理、運動など生活習慣の改善によって、脳梗塞が起こらないようにすることが大切です。

もし、脳梗塞が起こったら、直ちに救急車で脳卒中が専門の病院を受診することで、その後の経過が良い方向に向かう可能性が高くなります。

今回は、脳梗塞を発症した人がマグネシウムを摂取する意義について説明していきます。

【第1章】脳梗塞を発症した人がマグネシウムを摂取する重要性とは?

脳梗塞の患者さんでは、普段からとくに生活習慣病(高血圧や糖尿病など)を発症している方が多いです。

これらの疾患はいずれも動脈硬化を進行させるので、そのぶん脳梗塞を招くリスクが高くなると言えます。

脳梗塞のリスクファクターは食生活の欧米化(メタボリック症候群)、過剰な塩分摂取、そして運動不足等が挙げられます。

もちろんその他にも、糖尿病や脂質異常症(高コレステロール血症、高トリグリセリド血症)、喫煙歴、大量の飲酒、日々の強度ストレス、心房細動などの不整脈、加齢なども脳梗塞の原因として忘れてはいけない要素です。

生命の基礎ミネラルとも言えるマグネシウムが不足すると、メタボリック症候群になるだけでなく、様々な体調不良を引き起こし、脳卒中の罹患に繋がる可能性が考えられます。

マグネシウム摂取量は脳卒中リスクの低下と関連しており、特にマグネシウム摂取量が一日当たり100 mg増える毎に脳梗塞を含む脳卒中リスクが20%低下すると提唱しました。

このような背景があるがゆえに、脳梗塞を体の内面から事前に予防して改善させるためには、マグネシウム不足を普段から意識しながら解決する必要があると言えるでしょう。

【第2章】脳梗塞を発症した人がマグネシウムを摂取する手段とは?

脳梗塞においては、脳に酸素や栄養を送っている動脈に血行不良により、神経細胞が死滅してさまざまな症状をきたします。

脳梗塞では、脳動脈の一部が狭窄あるいは閉塞することで、色んな症状を自覚することになりますし、脳に栄養を送っている血管のうちでどこの動脈が詰まるのかによって症状が異なってきます。

このような状態になって、血液が脳に十分運搬されなくなると、半身麻痺や言葉を話すことができなくなる失語症、あるいは意識を失うなどの症状が出てきます。

2013年に米国インディアナ大学ブルーミントン校公衆衛生学教室が発表した研究結果によると、脳梗塞罹患率が高い地帯の住民にマグネシウムのサプリメントを補充することが重要かつ潜在的に有効な公衆衛生が進められる契機になる可能性があると示唆しています。

そして、我が国ではこれまでにマグネシウム成分が多く含まれている穀物などの食品を諸外国よりも積極的に摂取してきたと言われています。

あらゆる年齢層の方がマグネシウムを有効的に摂取するためには、当然のことながらマグネシウムを多く含む食品を積極的に摂ることが必要と考えられます。

日々の食事をする際には豆類や野菜類、そして海藻類などの食物繊維の比較的多い食材を前向きに摂取する必要があると言えるでしょう。

マグネシウムは豆類や野菜類、そして海藻類のみならず食品の中でも、アーモンドやピーナツバターなどにも含まれています。

カルシウムの摂取によく利用される牛乳などの乳製品にはあまり含まれていないので、マグネシウムの含まれる食品をバランス良く摂取する必要があります。

さらには、ひとつの食品から一度に大量に摂ろうとするだけでなく、それ以外にも市販店などで容易に手に入る経皮マグネシウムなどを有効的に活用しましょう。

もちろん必要な栄養素はサプリメントなどでも摂取は可能ですが、マグネシウムは実は「皮膚から効率的に吸収されやすい」という特性を有しています。

国内でも、オーソモレキュラー医学会はマグネシウムの重要性を以前から訴えており、緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを摂る方法として経皮マグネシウムを推奨しています。

近年、欧米でも研究が盛んになり一般的に普及しているマグネシウムの経皮投与方法は経口摂取よりも優れている点もあると言われています。

標的組織に直接マグネシウムを到達させることができますので、マグネシウムクリームは効率よくお肌につける新しいタイプの脳梗塞の再発予防に対する解決策になり得ます。

【まとめ(おわりに)】

脳の大血管が詰まって血が通わなくなり、脳の一部組織が壊死してしまう病気が脳梗塞です。

脳梗塞は一刻を争う病気です。

不幸中の幸いで一命を取り留めた場合も、残念ながら約7割に後遺症が残るといわれています。

疑わしい症状が現れたら直ちに救急車を呼び、脳梗塞の脅威から身を守るように努力しましょう。

実際には現代を生きる人々においては慢性的にマグネシウム不足している現実があります。

そして、マグネシウムが著しく欠乏すると脳は特に悪影響を受けると言われており、マグネシウム不足は生活習慣病の中でも特に脳梗塞という疾患を発症する大きなリスク因子になっていることが解明されつつあります。

マグネシウムは、体内で最も重要なミネラルとも言えます。

ですから、日々の食事内容やサプリメントをうまく活用することによって脳梗塞に随伴する症状を軽快させて実り多い生活を送りましょう。

これまでの数々の研究ではマグネシウムクリームが生活習慣病や動脈硬化のみならず脳梗塞に関連した症状に対しても改善効果を示すことを教えてくれていますので有効的に活用してみてくださいね。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. Masashi Shibata, Kenji Ueshima, Katsuhiko Hiramori, Shigeatsu Endo, Norio Sato, Tomomi Suzuki, Hidehiko Aoki, Tomoyuki SuzukiThe effectiveness of magnesium sulfate medication and the significance of interleukin-6 (IL-6) measurement in coronary reperfusion therapy for myocardial infarction. Journal of the Japanese Society of Intensive Care Medicine. 1998 Volume 5 Issue 1 Pages 25-31.

DOI  https://doi.org/10.3918/jsicm.5.25

  1. Altura BT, Alutura BM. Withdrawal of magnesium causes vasospasm while elevated magnesium produces relaxation of tone in cerebral arteries. Neurosci Lett 1980; 20: 323-

DOI  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7443079/

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。