【はじめに】
肺化膿症とは、肺の組織が破壊されて感染を引き起こして膿の塊が胸腔内に溜まった状態を意味しています。
肺化膿症を発症すると、発熱症状のみならず咳や痰などの呼吸器症状も出現しますが、高齢者では必ずしもこのような自覚症状がはっきりせずに何となく元気がないなどの状態から肺化膿症に発展することもあります。
肺化膿症は早期的な診断と確実な治療によって治癒する感染症である一方、治療に難渋して症状再燃や根治的な手術を要する症例も少なからず存在すると言われています1)。
そして、現在のところでは多種多様な症状に対してマグネシウムをいかに適用するなど数多くの研究が実践されています。
これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて肺化膿症(膿胸)を含む炎症性疾患や感染症の発症などに関与していることが判明しつつあります。
一方で、本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
また、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、肺化膿症(膿胸)にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】肺化膿症(膿胸)になる原因とは?
何かしらかのイベントを契機にして、肺臓器の中に細菌が入り込むことで炎症が引き起こされ、肺の組織が感染によって破壊されることが主な病態と考えられています。
主に肺へ細菌が潜り込む侵入経路としては、例えば高齢者が誤嚥した際に関連するものが多いと言われています。
一般的に、生体構造として空気が通る道と食事内容が入っていく通路はそれぞれ明確に分かれており、通常では飲食物を摂取した際に誤って食事内容物や唾液成分などが肺の中に入り込まないようになっています。
ところが、高齢者全般に嚥下機能が衰えている場合や脳梗塞によって普段から寝たきりの方などに関しては、正常機能としての誤嚥を予防する能力そのものが衰弱する傾向があります。
そのために、口腔内の唾液や食物などが気道の中に思いもかけずに迷入してしまい、誤嚥性肺炎や肺化膿症を発症することが考えられます。
また、肺以外の場所で惹起されている感染症に続発する形式で肺化膿症に病状が悪化することもあり、他臓器に細菌群があるケースでは血液の流れに沿って肺臓器へと細菌成分が血流感染を介して波及することが考えられます。
肺化膿症では原因となる細菌を特定することが重要な観点であり、痰や血液などの検体を用いて顕微鏡で細菌の存在を確認する、あるいは培養検査を実行することで原因菌を見極めることが正確な治療に結び付くことになります。
【第2章】肺化膿症(膿胸)にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
肺化膿症では、原因細菌に対して効果が期待される抗生物質を選択して薬物治療を行います。
また、胸腔内に貯留している膿成分が多いケースでは、排膿して膿を体外に放出するための医療処置が実践されることもあります。
さらに、食物内容などが気管や気道に間違って入ってしまう誤嚥状態に陥りやすい方では、肺化膿症を発症するリスクが高いため、口腔内ケアを施行する、または物を飲み込む嚥下機能を上達させる嚥下リハビリを積極的に実行することも有用であると考えます。
そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
そんなマグネシウムの摂取が不足すると、生活習慣病のみならずウイルス感染症や全身性炎症反応とも密接に関連していることがこれまでの調査研究でも徐々に解明されつつあります。
したがって、生命の基礎ミネラルとも言えるマグネシウムが不足すると、様々な体調不良を引き起こし、同時に免疫力が低下して多彩な細菌やウイルスによる肺炎発症に繋がる可能性があると考えられます。
マグネシウムは、果物や野菜、または経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取されます。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能していると言われており、昨今でも「サプリメント」などの健康食品類が注目されているのが現状です。
同様に、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、肺化膿症(膿胸)にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
肺化膿症(膿胸)とは肺臓空間に主に細菌感染によって膿成分が貯留して強い炎症像を呈する病気であり、誤嚥性肺炎などの疾患に続いて発症することもありますし、敗血症に関連して発病することも考えられます。
肺化膿症を発症すれば発熱や痰、咳などの呼吸器症状が現れ、原因菌によって発症経過は様々なパターンを呈します。
例えば、数週間の経過で緩徐に進行するケースもありますし、数日間のうちに急激に呼吸障害が強くなり重症化することも考えられます。
あらゆる体力が低下してくる高齢者や嚥下機能が衰えている寝たきりの人々に生じやすい疾患であると同時に、明らかな発熱や呼吸器症状が自覚されずに発病が分かりにくいこともあり、患者さん自身が体調不良を明確に説明できないこともありえます。
本疾患は知らず知らずのうちに潜在的に進行して悪化することも考えられるために、微々たる体調の変化にも注意を払いながら気になる症状がある場合には早めに救急病院や呼吸器専門病院などの医療機関を受診することが重要な視点となります。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって肺化膿症(膿胸)を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
- 安藤 克利, 大国 義弘, 松沼 亮, 中島 啓, 岩崎 拓也, 浅井 Nobuhiro, 安井 大策, 三沢 昌史, 金子 教宏:肺化膿症における予後影響因子の検討. 感染症学雑誌. 2010 年 84 巻 4 号 p. 425-430.
DOI https://doi.org/10.11150/kansenshogakuzasshi.84.425
2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1例.心臓. 2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_50-S1_54.
DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。