LINE登録で
スペシャルハンドブックを配信中!

肝硬変にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

【はじめに】

肝硬変とは、慢性的に肝炎を発症して肝臓に長く炎症が生じることで、肝臓の組織が線維化して硬くなる病気を指します。

肝硬変を引き起こす原因は、B型、あるいはC型の肝炎ウイルス感染、アルコールの多飲、過剰な脂質の摂取や肥満、そして自己免疫の異常が生じる病気など多岐にわたります。

肝硬変では最終的には肝機能が著しく低下するだけでなく、肝臓癌を発症するリスクも高くなり、食道静脈瘤や肝性脳症など命に関わる重篤な合併症も併存しやすくなります。

肝臓は何らかの原因によって炎症が生じることで仮にダメージを受けても、軽度であれば元の状態に戻ることが可能な回復能力を備えています。

そして、生体の代謝機構を含めた恒常性を維持するために、マグネシウムは広範囲にわたって深く機能していると考えられてきました1)。

残念なことに、現代の日本人は代表的ミネラルであるカルシウムやカリウムだけでなくマグネシウムも慢性的に不足していると言われています。

昨今では多種類のミネラルやビタミンなどを同時に効率よく補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も多く存在しています。

今回は、肝硬変にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性について説明します。

【第1章】肝硬変になる原因とは?

肝硬変は、一般的に肝臓に慢性的な炎症が生じる「慢性肝炎」が進行することによって発症します。

長期間にわたって継続する炎症が生じることで、肝臓の細胞は徐々に破壊されていき、その部位に硬い組織が蓄積して形成されていくために肝臓が全体的に硬くなるのです。

肝硬変の主な原因は、飲酒や肝炎ウイルス、脂肪肝です。

欧米ではアルコール(飲酒)が原因の肝硬変が多いと報告されています。

一方で、本邦では肝炎ウイルス感染によるものが多いと言われており、特にC型肝炎(HCV)とB型肝炎(HBV)が多く、それに次いで飲酒となっています。

肝硬変の根本的な原因である慢性肝炎にはさまざまな原因がありますが、その中でも肝硬変の原因の約半数を占めて主因とされているのはC型肝炎ウイルス感染によるものです。

また最近では、肥満や糖尿病などの生活習慣病から発症する「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」と呼ばれる疾患からの肝硬変も時々見られるようになりました。

その他、原発性胆汁性胆管炎などで胆汁がスムーズに排出されなくなる、あるいは自己免疫性肝炎などにおける免疫異常、慢性心不全などの病気をきっかけに肝硬変になることもあります。

肝硬変になっても、初期のうちは肝機能の低下自体は軽度であることが多いため、まったく症状が認められないないこともしばしば散見されます。

そのため、肝臓がいわゆる「沈黙の臓器」と比喩されていますが、肝硬変が進行して肝臓の機能が著しく低下する際には全身にさまざまな症状を引き起こします。

肝臓はアルコールや薬剤など体内に取り入れられた色々な物質の解毒を行う以外にも、出血を止める凝固因子、血液中の浸透圧を調節するアルブミン、消化吸収を助ける胆汁を産生するなど重要な役割を担っています。

したがって、肝臓の機能が重度に低下すると、体内で産生されたビリルビン色素の胆汁中へ排泄が低下することで黄疸(目や皮膚が黄色くなる症状)や易出血性(出血しやすい状態)といった症状が認められるようになります。

また、アルブミンが減少すると必然的に細胞内から細胞外へ体内に水分が溜まりやすくなり、腹水や浮腫などが生じるようになります。

【第2章】肝硬変にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

肝硬変が進行すると正常の状態に改善できなくなるため、死に至る患者さんも多くいらっしゃいます。

肝硬変を予防するには、慢性肝炎の段階で適切な治療を行うことが大切です。

したがって、それらを実践するためには定期的な検診や肝炎ウイルス検診などを受けることが推奨されています。

肝硬変は肝炎ウイルスへの感染、あるいは大量飲酒の習慣、そして生活習慣病などが原因で引き起こされます。

これらに関しては、B型肝炎ウイルスのワクチンを接種する(C型肝炎ウイルスのワクチンは現在ありません)、ウイルス性肝炎感染者の血液や体液に直接触らない、飲酒は適量にとどめて健康診断で肝機能が指摘されたら禁酒するなどの対策である程度は予防できます。

また、肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を治療し予防するように努めることも肝硬変予防になりますので、生活習慣病の人や生活習慣病のリスクが高いと言われた場合には、かかりつけ医師と相談して食事や運動習慣を見直すようにしてください。

そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。

人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。

これまで肝臓領域の専門研究では、亜鉛が肝線維の主成分であるコラーゲンの産生を抑制することが知られていました。

したがって、亜鉛が不足するとコラーゲン成分の増生が進んで肝臓における線維化に拍車をかけて肝硬変へと進展すると考えられていましたが、最近の調査ではこの亜鉛物質のみならずマグネシウムなどの微量元素も肝硬変症患者では不足していると言われています。

ですから、マグネシウムを始めとする主要な微量元素の欠乏自体がコラーゲン産生を増大させて肝線維化という病気を進行させることに繋がると思われます。

昨今において特に注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品をいいます。

近年では、サプリメントなどの健康食品の消費量は年々増加しており、いまや約6割もの人が利用していると言われています。

以前における厚生労働省の栄養調査によると、マグネシウムの平均摂取量は成人男性では270mg、成人女性では230mgであると言われており、日々の食品からの摂取量だけでは至適範囲のマグネシウム量として不足している実態が推察されます。

万が一にもストレスを多く抱えているときなどはミネラルの消費量も比例して増大すると伝えられており、マグネシウムの摂取は食事以外に市販のサプリメントでもある程度は期待できますので特にマグネシウムを意識して摂るように普段から心がけましょう。

このように、肝硬変にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントを上手く活用する必要があると考えられます。

【まとめ(おわりに)】

肝臓はその一部が線維化して働けなくなってしまっても、残っている細胞が代わりに機能を受け持つことで、しばらくは自覚症状がほとんど出ませんので、症状の出現に気づいた時には肝硬変がかなり進行していたというケースも決してめずらしくありません。

肝硬変では、肝臓の様々な病気やお酒などの影響によって肝臓の細胞が破壊され続けることで肝臓の細胞が繊維のように硬くなり、肝臓の表面がごつごつとした組織のように変化します。

肝硬変になると肝臓の中の血液循環が悪くなるので、さらに悪循環を辿って肝臓の働きも悪くなります。

肝臓を確実に守るためには、まだ症状が出ていない時期から予防対策をとることが必要不可欠であり、肝硬変の主な原因であるウイルス感染や飲酒、脂肪肝などに関しては日頃の生活習慣を見直すことで多少なりともリスクを減らせます。

そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」であると言われています。

マグネシウムは生体内の約300種類の酵素をサポートする補助酵素としての重要な役割を果たしていることは周知の事実です。

したがって、日々の食事内容を見直しながら、サプリメントをうまく活用してマグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって肝硬変にならないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょうね。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

1)福生吉裕:マグネシウム製剤の臨床治療への有効性. 東京未病研究会雑誌. 1995 1 1 p. 20-28.

DOI  https://doi.org/10.11288/mibyou1995.1.20

2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1.心臓. 2015 47 SUPPL.1 p. S1_50-S1_54.

DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50

著者について

+ posts

■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。