【はじめに】
肝機能障害とは、何らかの原因によって肝臓にある細胞が障害を受けて炎症が起こることで細胞破壊されてしまう病態のことを意味します。
肝臓の機能障害を引き起こす原因は、B型やC型の肝炎ウイルス感染、アルコールの多飲、過剰な脂質の摂取や肥満、そして自己免疫の異常など非常に多岐にわたります。
肝機能が著しく低下する状態が継続されると、肝硬変や肝臓癌を発症するリスクも高くなりますし、顕著な肝障害を呈する場合には食道静脈瘤や肝性脳症など命に関わる重篤な合併症を併存しやすくなることが知られています。
これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病発症のみならず肝機能などに関与していることが判明しつつあります。
従来から本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、肝機能障害にならないために普段の生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】肝機能障害になる原因とは?
慢性的に認められる肝機能障害の原因として有名なのは、B型・C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎、アルコール性肝炎、脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎などが挙げられます。
また、近年の現代人における飽食や運動不足などの背景があることから、肥満や糖尿病などの生活習慣病から発症する非飲酒者における脂肪肝を呈する非アルコール性脂肪性肝機能障害例が増加していることが指摘されています。
これらの代表的な肝機能障害の原因によって、長期間にわたって肝臓に炎症が継続することで、肝臓の細胞は徐々に破壊されていき、その部位に硬い組織が蓄積して形成されていきます。
欧米ではアルコール(飲酒)が原因の肝臓の機能障害が多いと言われています。
一般的に、エタノールを1日に男性は30g以上(ビールで換算すれば750ml、日本酒で計算すれば1合半相当に該当)、また女性は20g以上摂取するとアルコールによる肝臓の機能障害を引き起こすと考えられています。
アルコール関連の肝機能障害では慢性的な過剰飲酒によって生じることが知られており、脂肪肝炎をはじめとして急性肝不全、肝硬変、肝がんなど多彩な病型を呈することが報告されています1)。
その一方で、わが国では肝炎ウイルス感染によるものが多いと伝えられており、特に肝機能障害の原因となる肝炎ウイルスの中でもC型肝炎(以下、HCV)とB型肝炎(以下、HBV)が多く、それに次いで飲酒が主たる誘因となっています。
肝炎を引き起こすウイルスの中にはA型、B型、C型、E型の4種類が存在しますが、HBVの場合には輸血歴や出産歴、注射針の使い回しや性行為によって感染し、HCVでは、輸血や血液製剤、あるいは体に入れ墨を施す行為などによって感染することが知られています。
また、薬剤によって肝機能の障害が起こる可能性があることも忘れてはいけません。
通常、基礎疾患などに対する薬物の副作用によって肝臓に障害が起こることが知られており、具体的に肝障害の原因となる薬剤の代表例としては抗生物質や解熱鎮痛剤、精神神経薬、抗がん剤、漢方薬など多岐に渡ります。
【第2章】肝機能障害にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
アメリカでの疫学調査によると、マグネシウムを摂取した人(100mg/日)とそうでない人を比較すると、マグネシウムを前向きに摂取した人では肝臓病や脂肪肝による死亡リスクがおおむね50%程度低いことが判明しました2)。
この研究によると、全体的なマグネシウム摂取量は、肝臓病による死亡リスクの低下と有意に相関しており、特にアルコール飲酒者と脂肪肝を罹患した患者間でその傾向がより強かったという趣旨の報告がなされています。
マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、肝臓と同様に生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、実際にエネルギー産生機構に深く関与しております。
マグネシウムは、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程以外にも遺伝情報の発現、免疫機能の維持などにも寄与しています。
通常では、マグネシウムは主に植物性・動物性食物、そして飲料に広く含まれているとされており、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども優れたマグネシウム成分の供給源となり得ます。
一方で、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されているのです。
同様に、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、肝機能障害にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、一般的に自覚症状が出にくく、症状の出現に気づいた時には肝臓の機能障害がかなり進行していたという場合も決して珍しくありません。
したがって、健康診断などで肝臓の数値に異常があった場合には自覚症状がないからという理由だけで放置すると深刻な病気に進行する懸念があることを認識しておきましょう。
肝臓の機能障害は、肝臓の様々な病気やお酒などによって肝臓の細胞が破壊され続けることで引き起こされますので本病態に陥らないように予防に努めることが重要な視点となります。
そのような中で、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって肝機能障害にならないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
1)今 一義:アルコールと肝疾患―病態と疫学―. 日本消化器病学会雑誌. 2022 年 119 巻 1 号 p. 14-22.
DOI https://doi.org/10.11405/nisshoshi.119.14
2)Lijun Wu, Xiangzhu Zhu, Lei Fan, Edmond K. Kabagambe, Yiqing Song, Menghua Tao, Xiaosong Zhong, Lifang Hou, Martha J. Shrubsole, Jie Liu,corresponding author1 and Qi Dai:Magnesium intake and mortality due to liver diseases: Results from the Third National Health and Nutrition Examination Survey Cohort. Sci Rep. 2017; 7: 17913.
Published online 2017 Dec 20.
DOI 10.1038/s41598-017-18076-5
DOI https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5738415/
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。