【はじめに】
一般的に、膵臓の炎症が続くことで膵臓の細胞が破壊され、さまざまな症状を引き起こす慢性膵炎は基本的に根治的な治癒はあまり期待できず、膵臓癌のリスクを上昇させて寿命が平均より短縮されると指摘されています。
これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて慢性膵炎を含む炎症性疾患の発症などに関与していることが判明しつつあります。
従来から本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、慢性膵炎にならないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】慢性膵炎とは?
膵臓は、基本的に膵液を十二指腸に分泌する、あるいは血液中にグルカゴンやインスリンなどのホルモンを分泌する臓器として知られています。
膵液には消化酵素が多く含まれており、食べ物を消化する働きがありますし、インスリンは糖代謝を調節して血糖値を調節する機能を有しています。
慢性膵炎の約7割は、習慣的な飲酒が原因と考えられており、慢性膵炎を罹患した患者さんのなかで、男性のおよそ70%は飲酒が原因である一方で、女性の場合には約30%と言われています。
飲酒による慢性膵炎は女性の方が男性と比べて少ないものの、女性は少量の飲酒をすれば慢性膵炎に罹患しやすいと指摘されていますので、一定の注意を払う必要があります。
また、遺伝子によって、慢性膵炎になりやすい家系の人もいると伝えられています。
慢性膵炎の初期段階における主な自覚症状は腹痛ですが、不思議なことに病状が進展するごとに腹痛症状は軽減される傾向が認められます。
ところが、進行するごとに膵臓機能が低下して、消化不良に伴う下痢症状や体重減少などのサインが出現すると同時に、栄養障害や糖尿病の発症リスクも向上するので十分に注意する必要があります。
【第2章】慢性膵炎にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
慢性膵炎の進展を予防するためには、膵炎が急性増悪する頻度をできるだけ抑えることが有効的と考えられており、急性増悪する原因要素を減らす工夫が必要であると言われています1)。
慢性膵炎の進行を防ぐには禁酒することが非常に重要な観点であり、禁酒することで病状の進行が遅れて疼痛症状が緩和されることに繋がります。
また、慢性膵炎の患者さんにおいて日々の食事面で気を付けることとしては、比較的栄養価が高い食品を選択するという点が重要になります。
特に、脂質の過剰な摂取は腹痛や背部痛を大いに誘発する可能性が指摘されていますので、疼痛症状を認める際には脂質制限食を摂取することが必要となります。
また、本疾患が進行すればするほど膵機能が徐々に低下して、消化吸収能力が低下することが知られています。
特に、脂溶性ビタミンとして知られているビタミンA・D・E・K群が吸収されづらくなりますので、これらの栄養素を効率的に吸収するためにサプリメントや消化酵素薬の服用が必要となります。
そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています2)。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、実際にエネルギー産生機構に深く関与しております。
マグネシウムは、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程以外にも遺伝情報の発現、免疫機能の維持などにも寄与していますから、マグネシウムが生体内で欠乏すると低免疫状態から慢性膵炎を含む炎症性疾患のリスクが上昇すると考えられます。
通常では、マグネシウムは主に植物性・動物性食物、そして飲料に広く含まれているとされており、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども優れたマグネシウム成分の供給源となり得ます。
一方で、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されているのです。
同様に、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、慢性膵炎にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
慢性膵炎は、膵臓の炎症が慢性的に持続することによって、腺房細胞やランゲンハンス島などを始めとする正常な膵臓細胞が破壊されていく病気です。
慢性膵炎の主な症状は腹痛であり、病状が進行すると下痢や体重減少などの症状、糖尿病や栄養障害などの疾患を引き起こします。
いったん本疾患に罹患すると、なかなか根本的な治癒が見込めない病気として捉えられており、早期的に治療介入を受けることで病状の進行を防ぎ症状が改善する期待が高まりますので、疑われる症状を自覚した場合には、できるだけ早く消化器内科を受診してください。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって慢性膵炎を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
1) 齋藤 友隆, 中井 陽介, 藤城 光弘:慢性膵炎の進展予防―内視鏡治療・膵酵素補充療法に焦点をあてて―. 日本消化器病学会雑誌. 2021 年 118 巻 12 号 p. 1107-1116.
DOI https://doi.org/10.11405/nisshoshi.118.1107
2)貝原俊樹ら:低カリウム血症, 低マグネシウム血症により多型性心室頻拍, 心肺停止となった1例.心臓. 2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_50-S1_54.
DOI https://doi.org/10.11281/shinzo.47.S1_50
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。