【はじめに】
反応性関節炎は、主に関節外臓器で発症した感染症に合併して引き起こされる急性の非化膿性関節炎であると言われています1)。
先行感染によって必ずしも反応性関節炎を発症するわけではなくて生まれ持った先天的要素や環境的要因によって発症率には個人差があると伝えられています。
関節炎の症状は下肢範囲に認められて数か月単位で自然に軽快するのが通常ですが、稀に手指部や腰部に疼痛症状が出現することもあり、関節症状以外にも皮膚粘膜の病変、あるいは尿道炎や結膜炎などを合併するケースもあります。
そして、現在のところでは多種多様な症状に対してマグネシウムをいかに適用するなど数多くの研究が実践されています。
これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて反応性関節炎をはじめとした炎症性疾患や骨格系疾患の発症などに関与していることが判明しつつあります。
一方で、本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
また、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、反応性関節炎にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】反応性関節炎になる原因とは?
反応性関節炎は、主には、消化器系や泌尿生殖器領域などの感染症が契機となって発症することが多い疾患です。
消化器や泌尿生殖器における感染症がどうして関節炎を続発させるのかに関しては、現代の医学情報をもってしても明確なメカニズムは明らかにされていません。
原因となる細菌の種類としては、消化器系では赤痢菌、サルモネラなどが有名ですし、泌尿器あるいは生殖器領域の感染症においてはクラミジアが一般的に知られています。
前述したような細菌に万が一感染してもほとんどの人は反応性関節炎を引き起こしませんが、HLA-B27と呼ばれるヒト白血球抗原を有しているなど遺伝的な要因が関与して本疾患を発症しやすい性質があるということが徐々に判明してきました。
反応性関節炎においては、関節液の細菌培養そのものは陰性結果であることが知られており、細菌感染が直接関節部位に波及せず非化膿性の関節炎兆候を呈することが特徴的であるとも言えます。
【第2章】反応性関節炎にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
仮に反応性関節炎の患者さんを診察する際には、先行する感染症に対する治療と関節炎症状に対する治療を同時に介入することが重要な視点となります。
感染症自体に対しては細菌の種類や感受性に応じた抗菌薬による治療が行われますし、関節炎の症状は通常であれば非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が初期に処方されることが多いでしょう。
関節炎のサインが長期的に続く場合、あるいは炎症所見が高度であり重症のケースでは、ステロイド注射や生物学的製剤などが用いられることもあります。
そんな中で、マグネシウムという主要ミネラルは多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けると同時に、骨形成や筋骨格など筋骨格系組織の安定度を正常に保つのに必要な栄養素であると考えられています。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能していると言われてきました。
昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法は一般的に普及され多くの人が利用しています。
マグネシウムは、果物や野菜、または経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取され、特に経口マグネシウムサプリメントは、成人1日あたりで約350 mg(マグネシウム元素量)の摂取量以下であれば安全域と考えられています2)。
また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、反応性関節炎にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
反応性関節炎という病気は、通常では様々な感染症を罹患した後に起こる関節炎を主体とした炎症性疾患です。
つまり、反応性関節炎の症状が現れる数週間程度前に下痢嘔吐症状や尿道炎所見などを代表とする細菌感染のサインが認められるのが一般的な流れになります。
本疾患における症状としては、関節炎のみならず皮膚粘膜病変などが呈することもありますし、全身症状として微熱、体重減少などが自覚される場合も考えられます。
個人差がありますがほとんどのケースでは、発症後半年から1年以内に症状が軽快すると言われていますが、時に症状が慢性化する、あるいは再発再燃を繰り返すことがあるために注意を要します。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって反応性関節炎を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
- 向畑智仁, 三橋繁, 堀部和夫, 弓手惇史, 西須孝:ウミガメ生食後に発症し診断に難渋した反応性関節炎の1 例. 整形外科 Volume 71, Issue 1, 37 – 39 (2020).
- Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009.
DOI http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。