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マグネシウムクリームと高血圧

【はじめに】

さて、人間には17種類のミネラルが必須元素であると考えられており、人体内で数えて7番目に多いミネラルであるマグネシウムは、生体内におけるすべてのエネルギー活動の場で重要な役割を持っています。

本邦でも日常生活において積極的にマグネシウムを摂取している方は少ないと思われ、この重要なミネラルであるマグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気が現れやすいことが問題視されています。

マグネシウムが不足している時の症状として注意したいのが、生活習慣病であり、その中でも特に高血圧が挙げられます。

我が国は近年において65 歳以上の高齢者が総人口の 25%程度に達しており、その高齢者が寝たきりや要介護になる主な原因としては脳卒中などの生活習慣病が挙げられ、それらの発症には高血圧が深く関与しています。

過食と運動不足を含む生活習慣の歪みは高血圧を引き起こし、心筋梗塞をはじめとする動脈硬化性疾患を発症する原因にもなります。

今回は、世界に類を見ない高齢化社会となっている日本において問題視されている高血圧という病気とマグネシウムとの関連、そして高血圧に対するマグネシウムクリームの予防改善効果などを説明していきます。

【第1章】高血圧とマグネシウムとの関係とは?

ここ最近になって、健康維持増進と長寿に不可欠な「アンチエイジングミネラル」として注目をされ、また食事からのマグネシウム摂取不足が高血圧の大きな発症要因のひとつとしても深く関わっていることが判明しつつあります。

マグネシウムは生体にとって重要なエネルギー栄養素であり、食物の消化や吸収作用に寄与し、タンパク質や脂肪、そして炭水化物の利用を制御する酵素を活性化させる働きを担っています。

マグネシウムは日々の生活において例えば飲酒時などにも消費されますし、食事から得られる糖質成分をエネルギーとして燃焼させるときにも大量に使用されることが知られています。

必要なエネルギー栄養素であるマグネシウムが数々の理由で生体内において不足しますと、食品の体内利用に異常反応をきたし、結果として動脈硬化に関連する高血圧症状を襲来させることに繋がります。

いわゆる粥状性の動脈硬化はマクロファージの集簇や血管平滑筋細胞の増殖に特徴づけられる炎症性病態とも考えられており、その発症や進展を促す危険因子として代表的なものに高血圧が主に知られています。

2009年にメキシコの研究者らは、塩化マグネシウム補充による低マグネシウム血症を伴った糖尿病を有する高血圧成人における降圧効果の臨床試験に関する報告1)をしました。

その調査によると、マグネシウムを投与されたグループはコントロール対象者と比較して収縮期および拡張期血圧が有意に低下し、塩化マグネシウムの経口マグネシウム補充は高血圧成人の血圧全般を改善させることが分かりました。

このような過去の研究結果からも理解できるように、高血圧症状を体の内面から根治的に予防したり改善させるためには、まずは「マグネシウム不足」を解消することが重要であると言えます。

【第2章】高血圧を予防して改善できるマグネシウムクリームの効果を教えます!

健康日本21(第二次)では、血圧値の目標が設定され、収縮期血圧を用いて生活習慣スタイルの改善などによって中高年齢層の国民全体平均値として4 mmHgの低下を目標値として策定されました。

そして、これまでに多くの疫学調査や臨床試験によってマグネシウムと血圧に関する報告がなされてきました。

例えば、2016年に米国インディアナ大学や本邦の福島県立医科大学の研究者らの合同チームが、血圧に対するマグネシウムサプリメントの効果:ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のメタ解析結果について報告2)をしました。

その研究では、マグネシウムサプリメントの効果が降圧剤のように顕著には認められなかったものの、サプリメント摂取(おおむね370mg/日)が血清マグネシウム値を有意に上昇させ、収縮期および拡張期血圧を約2mmHgと有意に低下させることが分かりました。

マグネシウムはサプリメントのみならず食品の中でも、アーモンドやほうれん草、豆乳、ピーナツバター、そして卵や牛乳などの乳製品にも含まれています。

一方で、マグネシウム不足を解消するためには、1日でおよそ300mg位の摂取が到達目標になりますが、食品だけで全て賄うとなるとかなり気苦労が多いですよね。

そして、マグネシウムの摂取は市販のサプリメントでもある程度は期待できますが、マグネシウムのサプリメントはたいてい下剤作用があるので敬遠されがちですので、マグネシウムは局所的に使うのがベストと考えられます。

人間がマグネシウムを取り入れるもっとも自然な形は食べ物からだと思いますが、近年ではマグネシウムが実は皮膚からも吸収されやすいという特性があるということが判明してきました。

マグネシウムクリームは効率よく簡便に皮膚につけることが出来る新しいタイプの高血圧に対する解決策になり得る代物です。

基本的には、クリームを塗布する時間帯などは厳しく規定されておらず、おおむね決まった時間にマグネシウムクリームを使用すると決めておけば、習慣性が付きやすく、高血圧を予防する効果に繋がる可能性が高くなります。

経皮からの吸収による使用効果および即効性は高いと言われていますので、1日でも早く高血圧の症状を改善させたいという人はぜひマグネシウムクリームを用いてみてくださいね。

【まとめ(おわりに)】

マグネシウムはカルシウムの影に隠れてその重要性の認識があまり表面上に出てこない主要ミネラルと言えます。

ところが、実際には現代を生きる人々においては慢性的にマグネシウム不足している現実があり、その現実が生活習慣病の中でも特に高血圧という疾患を発症する大きなリスク因子になっていることが解明されつつあります。

人生100年時代というこの世界で、食生活の変化や身体活動の減少によって高血圧を中心として生活習慣病のリスク因子が集積する疾患の増加とその健康被害が懸念されています。

過去の数々の調査から、マグネシウム含有型保湿クリームは高血圧に対しても予防効果があることを教えてくれています。

マグネシウムクリームは、マグネシウム成分を肌の奥まで届けてくれるマッサージ用のクリームです。

マグネシウムクリームに期待できる作用は、健やかな心身を保つのみならずストレスケア、活力向上、免疫力アップ、ホルモンバランスの調整など多岐にわたり、それらが高血圧改善に繋がるものと信じられております。

高血圧を持病として抱えている人にとって病気と上手に付き合うための選択肢として、食事やサプリメント以外にも経皮的吸収できるマグネシウムクリームを使用することによって症状を軽快させて、快適な生活を実践しましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

1)Guerrero-Romero F and Rodríguez-Morán M. The effect of lowering blood pressure by magnesium supplementation in diabetic hypertensive adults with low serum magnesium levels: a randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. Journal of Human Hypertension 23:245-251, 2009

DOI http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19020533

2)Zhang X, Li Y, Del Gobbo LC, Rosanoff A, Wang J, Zhang W, Song Y. Effects of Magnesium Supplementation on Blood Pressure: A Meta-Analysis of Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trials. Hypertension 68:324-333, 2016

DOI http://hyper.ahajournals.org/content/68/2/324.long

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。