【はじめに】
アルコール依存症とは、長期間にわたってアルコールを大量に摂取し続けることによって、アルコールを摂取しないと居ても立っても居られなくなる状態に陥る病気を指します。
現在のところ、日本では80万人以上がアルコール依存症を患っていると推定されています。
アルコール依存症では飲酒しないと気持ちの高ぶりやイライラ感が生じ、動悸や発汗、手の震え、頭痛、不眠などの身体症状が現れるようになります。
そして、現在では精神症状を含めて様々な疾患や兆候を改善する為にマグネシウムを適用する事を観点に数多くの研究が行われています。
マグネシウムはシナプス伝達には不可欠な物質であり、神経系にも多量に存在する二百種類を超える酵素の補酵素である重要な生体要素であると考えられてきました1)。
マグネシウムというミネラルは種々の生体機能に重要な役割を果たしています。
また、近年では多種類のミネラルやビタミンなどを同時に効率よく補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も多く存在しています。
今回は、アルコール依存症にならないためにマグネシウムのサプリメントを摂取する重要性などについて説明します。
【第1章】アルコール依存症になる原因とは?
アルコール依存症の主たる原因は決して当該人の意志の弱さや特定の性格傾向が原因ではなく、主たる要因は長期間にわたって飲酒してエチルアルコールという依存性薬物を過剰に摂取してきたためと言われています。
アルコールは日々の暮らしの中で適量の摂取であれば程よい高揚感などをもたらし、健康に甚大な害を与えることはほぼありません。
しかし、長期間に渡って過剰な飲酒生活を続けるとアルコールが常に体内に存在することが正常な状態と認識され、神経系の神経細胞の性質が変化していきます。
そして、血液中のアルコール濃度が低下すると、神経のバランスが崩れ、離脱症状が現れるとともに、アルコールへの欲求が過剰に高まります。
その結果として、アルコールを摂取するためにはなりふり構わなくなるなどの人格や行動上の変化が現れるようになるのです。
アルコール依存症の中核的な症状は、アルコール摂取を適量で済ませることができず、飲酒していないときでもたえず「飲む」ことにとらわれている精神面の変化です。
そして副次的に、血液中のアルコール濃度が低下すると、強烈な飲酒欲求とさまざまな離脱症状が現れるあまり、自身に適した飲酒量、時間、状況などを考慮せずに飲酒するようになります。
その結果、仕事中でも飲酒する、あるいは家事をせずに飲酒を続けるなど日常生活や社会生活が困難な状況に陥る結果、そうした行動変化によって仕事や人間関係のトラブル、家族関係の破綻、飲酒運転などさまざまな問題を引き起こします。
徐々に社会的に孤立して、それがさらなる飲酒行動を促すといった悪循環に陥るケースも多く、依存状態が重度になってしまうと体内にアルコールが存在しない時間を作ることができなくなります。
飲酒することを続けては潰れて寝てしまい、目が覚めてはまた飲むといった「連続飲酒」と呼ばれる負のスパイラル状態に陥り、すでに肝臓や脳組織などにも大きなダメージが生じているフェーズと考えられます。
非常に重篤なケースではけいれん発作、幻覚や幻聴などが生じて、生命的な危機状態に瀕することもありますので注意が必要です。
【第2章】アルコール依存症にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性
アルコール依存症の方が、実際に医療機関を受診するには普段の状況をよく知る家族や周囲のサポーターなどの協力が不可欠です。
万が一にもアルコール依存症になった時には、治療目標としては原則的にはアルコールを一切断つことになります。
アルコール依存症を回避するために、まずは日々の予防が重要であり、様々な予防法を参考にして普段からお酒との付き合い方を自分なりに振り返ってみましょう。
アルコール依存症にならないためには、第一にアルコール依存症の恐ろしさや、なぜそういった恐ろしい病気になってしまうのかについて、正しい知識を持つことが必要不可欠です。
そして、マグネシウム濃度の低下は一般的に飢餓状態などで摂取量が少ないケースや腸から正常に栄養素を吸収できない吸収不良症例に発生し、大量飲酒によっても食事量が減少すると同時にマグネシウムの排泄量が増加することで引き起こされます。
アルコール依存症の患者さんではマグネシウムの吸収能力が健常者よりも弱くなることが知られています。
アルコール依存症の状態では膵臓酵素の分泌能が脆弱になって脂肪の吸収能力が低下することで腸管内にある脂肪成分がマグネシウムと結合して再吸収されにくくなります。
さらに、アルコールによる腎臓の尿細管障害が引き起こされて、血液中のリン濃度も下がると同時に、マグネシウムそのものが腎臓から排泄される量が増えて生体内のマグネシウム成分が減少してしまうのです。
低マグネシウム血症が持続するときは、マグネシウム製剤を経口で服薬しますし、アルコール依存症の患者で症状が悪化する場合には通常であればマグネシウムを投与することになります。
これまでの研究では、マグネシウム物質に関する代謝的な役割がアルコール依存症の成因や発症要素に関与している可能性が指摘されてきました2)。
マグネシウムは人体にとって必須のイオンとされており、日々の肉体的な健康と精神的に安定している生活を基盤として支えて維持するのにとても有益な役割を果たしています。
最近では必須ミネラルの栄養素である「マグネシウム」が慢性的に摂取不足に陥っている人が増えていると頻繁に聞かれます。
マグネシウムは脳や骨格筋のみならず、心理的要素においても重要な生理学的役割を果たしていると信じられており、生命の基礎ミネラルとも言えるマグネシウムが不足すると、様々な体調不良を引き起こすことが伝えられています。
日々の中でサプリメントを摂取する重要性は徐々に周知されており、成人に関してはマグネシウム(クエン酸マグネシウムや塩化マグネシウム)を概ね400 mg/日程度摂取することが推奨されています。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、心理的安定度を正常に保つのに必要な栄養素です。
生体内のマグネシウムは精神的ストレスにより量的に低下することから, 中枢神経機能においても重要な役割を担っていることが知られているのです。
総合的に考えると、アルコール依存症を発症しないためにも最低限のマグネシウムを摂取するうえでサプリメントを上手く活用して心がける必要があると言えますね。
【まとめ(おわりに)】
アルコールは適量の摂取であれば深刻な健康被害を引き起こすことはまずありませんが、大量の飲酒を続けると脳の仕組みが変化することによって猛烈にアルコールを欲するようになります。
いったんアルコール依存症を抱えてしまうと、仮に治ったとしてもまたお酒を飲んでしまうことが多いためにスムーズな社会復帰が難しいと言われています。
だからこそ事前に家族や医療者が介入して、患者さん自身へお酒の飲み方や過剰飲酒に伴うリスクに対する啓蒙活動からしっかりと始める必要があります。
他の病気と同じように、アルコール依存症も「早期発見・早期対応」がとても重要です。
一度発症してしまうと、職場や家庭を巻き込んだ悲劇を引き起こすこともあるため、兆候を感じたらすぐに相談するようにしましょう。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは生体内の約300種類の酵素をサポートする補助酵素としての重要な役割を果たしていることは周知の事実です。
したがって、日々の食事内容もさることながら、サプリメントをうまく活用してマグネシウムの日常的な摂取方法を工夫することによってアルコール依存症にならないように有意義な生活を送りましょうね。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
- 小柳清光:パーキンソン病・パーキンソン痴呆症とマグネシウム.昭和医学会雑誌. 2003 年 63 巻 4 号 p. 364-369.
DOI https://doi.org/10.14930/jsma1939.63.364
- 建田 早百合, 羽根田 俊, 中村 泰浩, 石田 裕則, 小川 裕二, 菊池 健次郎:慢性透析患者の動脈硬化および虚血性心疾患の成因に関わる血中イオン化マグネシウムの意義. 日本透析医学会雑誌. 1999 年 32 巻 3 号 p. 175-184.
DOI https://doi.org/10.4009/jsdt.32.175
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。