【はじめに】
高血圧というのは、その名の通り血圧が高い状態を指しており、偶然測った血圧が高いだけでは高血圧症とは言い切れず、繰り返して測定しても血圧が正常値より高い場合を意味しています。
現在のところ、高血圧症は我が国において約4000万人以上にも及ぶ国民が罹患していると言われており、高血圧を制御することによって本邦における脳血管障害や心臓病の発症を抑制することが大いに期待されています1)。
そして、マグネシウムはカリウムに次いで細胞質内に多く存在する電解質成分であることが知られており、マグネシウムは 300以上の酵素活性に必要なミネラルです。
生体にとって必須ミネラルと考えられているマグネシウムが豊富に含まれる食事を摂っていると、高血圧疾患を予防できる可能性があり、マグネシウムそのものに動脈血管を拡張させる作用があって血圧を降下させる機能があることが新たな研究で示されてきました。
さらに近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、高血圧症にならないために普段からマグネシウム製品を取り入れる重要性などについて説明します。
【第1章】高血圧症になる原因とは?
一般には、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、あるいは最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上であれば、「高血圧症」と診断されることになります。
高血圧症は、大きく本態性高血圧と二次性高血圧に分類することが出来ます。
一般的に、多くの方が罹患している本態性高血圧が発症する背景には生活習慣が密接に関与しており、日常的に塩分を取り過ぎる、肥満、運動不足、過剰なストレスなどが発症原因となります。
血圧を上げる原因を特定できない本態性高血圧に関しては、何かしらかの遺伝的な異常を基盤として過食などの生活習慣因子や環境要因が加わって起こると言われています2)。
一方で、二次性高血圧とは高血圧を引き起こす器質的な原因を特定できるものを指しており、例えば腎性高血圧や内分泌疾患である原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症などの基礎疾患に続発して高血圧を来すタイプを意味します。
それら以外にも、睡眠時無呼吸症候群に続発する高血圧や薬剤性に引き起こされる高血圧症なども周知されています。
【第2章】高血圧症にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
マグネシウムは日々の生活において例えば飲酒時などにも消費されますし、食事から得られる糖質成分をエネルギーとして燃焼させるときにも大量に使用されることが知られています。
必要なエネルギー栄養素であるマグネシウムが数々の理由で生体内において不足しますと、食品の体内利用に異常反応をきたし、結果として動脈硬化に関連する高血圧症状を襲来させることに繋がると考えられています。
これまでに多くの疫学調査や臨床試験によってマグネシウムと血圧に関する報告があり、一例としてマグネシウムを十分に摂っていると高血圧を改善できることが、インディアナ大学公衆衛生学部の研究で明らかになっています。
マグネシウムは、人体にとって必須のイオンとされており、日々の健康と生活を支えて維持するのにとても有益な役割を有しており、普段からマグネシウム摂取量が多い人は血圧が低下する傾向を認めることが判明しつつあります。
原則として、マグネシウムなどのミネラルそのものは基本的には体内で十分な量を作ることができませんから、食品などから摂取する必要があります。
マグネシウムはアオノリ、昆布、ヒジキなどの海藻類、大豆、納豆などの豆類、しらす干し、干しエビ、アサリなどの魚介類、アーモンドなどの種実類などに多く含まれていると伝えられています。
ところが、最近では必須ミネラルの栄養素である「マグネシウム」が本邦でも慢性的に摂取不足に陥っている人が増えていると頻繁に聞かれます。
万が一、食事などで十分な量を取れない場合には市販で販売されて容易に手に入るサプリメントを活用する方法もあります。
ひとつの食品から一度にマグネシウムを大量に摂取するだけでなく、実際に人間が生きていくために必要な栄養素の一つであるマグネシウムのサプリメントが高血圧の治療の選択肢の一つとなる可能性があるとの報告も存在します2)。
そして、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
特にマグネシウム不足が叫ばれている本邦の日本人では、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められますね。
総合的に考慮すると、高血圧症を予防するためには普段から意識して食べ物やサプリメント、あるいは経皮吸収型クリーム製品などからマグネシウム成分を摂取する必要性があると言えます。
【まとめ(おわりに)】
高血圧とは安静状態における血圧が繰り返して正常値よりも高い状態を指しており、本疾患を早期発見、あるいは早期治療に繋げるためには日常的に血圧を継続して測定することが重要です。
血圧は時間や様々な条件で変動するため様々な環境で血圧を測定することが求められており、多少血圧が高くても自覚症状を感じないのが通常ですが、血圧がかなり高い際には頭痛やめまい、肩こり症状などが典型的に認められます。
高血圧症の原因となる要素としては、肥満、運動不足、アルコール、喫煙などが知られており、高血圧の状態を放置していると、動脈硬化を悪化させて脳卒中や心疾患など死に至る重篤な病気の発症の引き金となると言われています。
本疾患は多くの場合には不規則な日常生活習慣が主たる原因となっているため、基本的な生活スタイルを見直して出来る限りの是正をすることが肝要です。
そして、我々の体内ではミネラル成分が様々な身体機能を正常に保つために多彩な役割を担っていますが、中でも近年において生活習慣病を含めて高血圧症の予防対策として重要な位置づけとして考えられているのが「マグネシウム」です。
もし周りに高血圧症に関して心配している人がいたら、十分にバランスの取れた食べ物を毎日の中で規則正しく取り入れることを推奨すると同時に、特にマグネシウムを中心としたミネラル成分の栄養素を前向きに摂取するように教えてあげて下さいね。
日々の食事内容やサプリメント栄養、経皮吸収型クリームなどを上手に活用してマグネシウムの摂取方法を工夫することで高血圧症にならないように実り多い有意義な生活を送りましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
- 平和 伸仁, 梅村 敏:高血圧治療ガイドライン2019. 日本内科学会雑誌. 2020 年 109 巻 4 号 p. 778-783.
DOI https://doi.org/10.2169/naika.109.778
- Xi Zhang , Yufeng Li , Liana C Del Gobbo , Andrea Rosanoff , Jiawei Wang , Wen Zhang , Yiqing Song:Effects of Magnesium Supplementation on Blood Pressure: A Meta-Analysis of Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trials. Hypertension. 2016 Aug;68(2):324-33.
DOI 10.1161/HYPERTENSIONAHA.116.07664
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。