【はじめに】
亀裂性湿疹とは、一般的に世間で言ういわゆる「あかぎれ」のことを指しています。
この亀裂性湿疹という病気は、通常では手指の乾燥や水仕事が多い職場、あるいは冬場の寒い環境などを契機として引き起こされます。
この疾患になると、手のひび割れ、また皮膚からの出血、痛みなどの症状がみられることがあり、成人だけでなく若い方や子供にもみられる可能性があります。
亀裂性湿疹を放置したままにすると、傷の部分がきれいに治癒するまでに長期的な時間を要するようになるために、早い段階で医療機関を受診して早期的に対応策を講じることが必要です。
そして、マグネシウムは生体にとって必須の金属であると昔から伝えられており、マグネシウム元素が欠乏するとあかぎれ(亀裂性湿疹)を含めた皮膚炎を惹起しうると考えられていました1)。
このような観点からも生体の微妙な恒常性の維持にとって、マグネシウムは広範囲にわたって深く機能していると言えます2)が、残念ながら現代の日本人は代表的ミネラルであるカルシウムやカリウムだけでなくマグネシウムも慢性的に不足しています。
昨今では多種類のミネラルやビタミンなどを同時に効率よく補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も多く存在しています。
近年では、サプリメントなどの健康食品の消費量は年々増加しており、いまや約6割もの人が利用していると言われています。
今回は、あかぎれ(亀裂性湿疹)にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性について説明します。
【第1章】あかぎれ(亀裂性湿疹)になる原因とは?
亀裂性湿疹(あかぎれ)という疾患では、主に指の間や手の甲の乾燥しやすい箇所、あるいはかかとなど荷重がかかりやすい部分に認められることが多いとされています。
皮膚がカサカサした変化を起こして、病状が進行するたびに徐々に皮膚が分厚くなった後に、当該皮膚部分に亀裂が生じてひび割れとして発症するようになります。
特に、冬場の季節などにおいてひび割れの状態が強くなると患部から出血をきたすこともありえますし、痛みやかゆみなどの自覚症状を随伴することも考えられます。
亀裂性湿疹を発症すると、病変部位に強い痛みが走ることがあり、それらの症状のために日常生活動作が制限されることもあります。
亀裂性湿疹は、基本的には皮膚が乾燥していることを背景として発症します。
通常では、本疾患は皮膚表面が乾燥すると共に徐々に皮膚が厚くなり、ひび割れを生じることで発症に至り、特に乾燥がひどくなる冬場に生じる傾向があります。
また、亀裂性湿疹は日常生活動作に関連して発症するとも言われており、食器洗いを日々実行している方々では、洗剤を日常的に使用することで手の皮脂や水分が多く失われる結果、手の乾燥が進行して、亀裂性湿疹になりやすいと考えられます。
例えば、主婦の方は亀裂性湿疹を発症しやすいと思われますし、水に触れる機会が多い美容師や調理師などの仕事に従事している場合にも、あかぎれの罹患リスクが高いでしょう。
職業や日常生活動作関連以外にも、身体の場所によって亀裂性湿疹を発症しやすい部位があると言われています。
想像しやすいことですが、足の踵の部分においては普段から乾燥しやすいのみならず体重が大きく負担として荷重され続けるために、皮膚の角質が分厚くなりやすく亀裂性湿疹に繋がりやすいと考えられます。
【第2章】あかぎれ(亀裂性湿疹)にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性
前章で述べたことからも容易に推察できますが、亀裂性湿疹にならないためにはまず日常的に乾燥を防止することに努めることが重要です。
そのため、水仕事をした後にはワセリンクリームなどを活用して皮膚の保湿を心がけて亀裂性湿疹(あかぎれ)を予防することも重要な視点です。
それ以外にも、水仕事が終わるたびに保湿剤を塗布するように心がける、あるいは熱湯の使用を控えることを認識しながら過ごすことが亀裂性湿疹の発症予防という意味で重要な観点です。
特に空気が乾燥する冬場のシーズンには、亀裂性湿疹の発症リスクが高まると言われており、部屋や居住区域の乾燥度を高くし過ぎないためにも、適度の湿度設定を環境的に保つために加湿器などの器具を使用することも検討しましょう。
また、お子さんのケースでも亀裂性湿疹を発症する危険性はあると伝えられており、子供の場合には大人よりも更に皮膚のバリア機能が脆弱であるため、外出時にも手袋や耳当てなどを着用するなど皮膚保護や防寒対策などを周囲の人々が注視してあげることが肝要です。
このように、予防的に亀裂性湿疹にならないためには、老若男女問わずにできる限りにおいて誘因となっている生活習慣スタイルを回避することが重要であると言われています。
その中で、マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、骨形成や筋骨格の安定度を正常に保つのに必要な栄養素です。
近年になって特に注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品をいいます。
ある調査によるとサプリ製品を購入する際に重要視する点として、過半数以上が「効果や有効性」と答えていたそうですが、その効き目が顕著に出現するまでの期間というのは個人差のみならず、サプリの種類や目的によっても異なりますので念頭に置いておきましょう。
最近では必須ミネラルの栄養素であるマグネシウム成分が慢性的に摂取不足に陥っている人々が増加しているようですが、普段からサプリメントを摂取する利点などについては少しずつ周知されてきています。
ですから、あかぎれ(亀裂性湿疹)にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
亀裂性湿疹は、多くの場合には日常生活における行動様式に関連して引き起こされる病気と捉えられています。
特に、食器洗いなどの水仕事が原因で皮膚の状態が悪化するので、出来る範囲で手袋を着用したうえで洗剤などを利用して皮膚そのものが直接的に洗剤や水などに触れる機会を回避することが重要です。
亀裂性湿疹を放置して病状が進行すると、治癒にまでより一層の時間を要すると言われているため、セルフケアを実践しても皮膚の状態が改善しない場合は早急に病院や診療所を受診しましょうね。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」であると言われています。
マグネシウムは生体内の約300種類の酵素をサポートする補助酵素としての重要な役割を果たしていることは周知の事実です。
現在のところ、製薬会社や食品会社から色々な微量元素のサプリメントが販売されており、特にマグネシウム成分を含んでいるサプリメントでは酸化マグネシウムやクエン酸マグネシウムなどの化合物として多彩な形で市販店などにおいて入手することが出来ます。
したがって、日々の食事内容を見直しながら、サプリメントをうまく活用してマグネシウム成分の摂取方法を工夫することによってあかぎれ(亀裂性湿疹)にならないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
1)花田 勝美, 鈴木 賢二, 橋本 功ら:ヘアレスラットにおけるマグネシウム欠乏性皮膚炎の組織学的観察. 日本皮膚科学会雑誌. 1988 年 98 巻 8 号 p. 797-
DOI https://doi.org/10.14924/dermatol.98.797
2)福生吉裕:マグネシウム製剤の臨床治療への有効性. 東京未病研究会雑誌. 1995 年 1 巻 1 号 p. 20-28.
DOI https://doi.org/10.11288/mibyou1995.1.20
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。