【はじめに】
「鵞足」と呼ばれる部位は、膝から5㎝程度足側に存在している脛骨という骨の内側部分に位置しています。
一般的には縫工筋、半腱様筋、薄筋という三種類の筋肉に付着している腱がその脛骨にくっついている場所である鵞足部位にある滑液包の内部に強い炎症が呈する状態が「鵞足炎(がそくえん)」であると考えられています。
本疾患では、膝を屈曲するときや股関節を内転する動きにより慢性的に膝の痛みを自覚することになります。
そして、これまでの数々の研究においてマグネシウムというミネラル成分の摂取量が減少することで関節や筋肉の病気を含めて様々な疾患に陥りやすいと考えられるようになってきました。
我が国では日常生活内で前向きにマグネシウムを摂取している方は少ないようですが、近年において効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
今回は、鵞足炎を起こさないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】鵞足炎を引き起こす原因とは?
日常的に立ち上がる瞬間や階段を昇り降りする際などに「膝が痛い」と自覚している人のなかで、もしひざを酷使して膝痛を自覚している際には鵞足炎という病気を見逃してはいけません。
この病気は鵞足と呼ばれる膝関節の内側より下方に位置する脛骨付近に炎症が引き起こされて膝の痛みが出現すると知られています。
本疾患は、トップアスリートやプロスポーツ選手に生じやすいと言われており、打撲などの外傷を契機に発症する可能性も指摘されています。
鵞足炎は、自分に見合っていない不適切なトレーニングをする、運動前にストレッチを怠る、急な坂道を急激に長時間走る、肥満体形であることなどが発症に関与しているリスク因子であると考えられています。
本疾患は、スポーツ障害として代表的な疾患のひとつであり、その臨床的な特徴所見としては鵞足部への圧痛や同部の動作時における疼痛症状を呈することであると伝えられています1)。
この疾患に罹患すると、初期では膝関節の内側部より5㎝ほど下方の部位に痛みを覚えて、その部位を押すと強い痛みを自覚しますし、更に病状が進行すると安静時にも同部位が疼くように痛みを感じることがあります。
【第2章】鵞足炎に罹患しないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
鵞足炎に対する治療策は、一般的には理学療法、あるいは投薬や注射などの保存的な療法が通常の流れになっています。
仮に患部安静、局所的アイシング、抗炎症薬の使用、理学療法を実践するなどの治療方法を施行しても症状が改善しないケースでは、滑液包の内部に少量ステロイド薬を直接的に注射する療法も考慮されます。
そして、マグネシウムは体内に多く含まれているミネラルの一種であり、身体の中で補酵素や活性型物質として概ね300種類以上の酵素の働きを補助する役割を有しています。
マグネシウムが不足すると、糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームを含めた生活習慣病にととまらず、肩こりや足のこむら返りなどと同様に鵞足炎も含めた筋骨格系の組織関連障害として様々な症状を引き起こすと考えられます。
特に、マグネシウムというミネラル成分はカルシウムの作用を調整制御して全身の筋肉を収縮および弛緩させる役割を果たしています。
必須・主要ミネラルであるマグネシウムは身体に必要不可欠な栄養素なので、毎日の食事やサプリメントなどの栄養機能食品から充分に摂取しても悪い影響を及ぼすことはほとんどありません。
昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法が一般的にも広く普及しています。
マグネシウムは、果物や野菜、そして経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取され、特に経口マグネシウムサプリメントに関しては成人1日あたりで約350 mgの摂取量以下であれば比較的安全域であると言われています2)。
また、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
鵞足炎に罹患しないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があるでしょう。
【まとめ(おわりに)】
鵞足炎という病気は鵞足部に存在している滑液包における炎症が主な病態です。
本疾患は、過度の運動などによって同部において繰り返して引き起こされる摩擦と物理的なストレスが原因で発症し、特にマラソンランナーや陸上選手などを始めとして膝を屈曲あるいは内旋する動作そのものが鵞足部に過剰な負担をかけることが知られています。
一般的な治療法としては、原則薬物療法、アイシング、そしてストレッチであり、鎮痛剤を内服する、消炎鎮痛剤を塗布する、炎症部位をアイシングすることで熱感を除去する、そして症状軽快後はストレッチなどを入念に実践することを心がけましょう。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない要素の代表格が、「マグネシウム」であると言われています。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけましょうね。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって鵞足炎を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
- 斉藤 正佳, 赤羽根 良和, 永田 敏貢, 栗林 純:内側型変形性膝関節症に合併した鵞足炎の発生機序. 東海北陸理学療法学術大会誌. 第27回東海北陸理学療法学術大会. セッションID: P-033
DOI https://doi.org/10.11529/thpt.27.0.100.0
- Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009.
DOI http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。