骨粗鬆症にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

【はじめに】

骨に必要な栄養素について質問された際に真っ先にカルシウムを思い浮かべる人は多いと思います。

もちろんカルシウムを積極的に摂取することは重要ではありますが、より効率よくカルシウム成分を体内に吸収するためには、体に必要なエネルギーやたんぱく質、そしてミネラルを十分にとれていることが大前提となります。

そして、主要ミネラルの一つであるマグネシウムと微量元素は生命活動において重要であり必要不可欠な成分です。

マグネシウムは生体内で様々な反応に関係する必須電解質のひとつであり、生体内ではそのほとんどが骨、筋肉、軟部組織などに存在しています1)

また、近年では多種類のミネラルやビタミンなどを同時に効率よく補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も多く存在しています。

そして、世界保健機関によると「骨粗鬆症は低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴としており、骨の脆弱性が増大して骨折の危険性が増大する疾患である」と定義しています2)。

この骨粗鬆症という疾患は予防が大切な病気と言えます。

カルシウムを十分に摂取するだけでなく、マグネシウムを中心にビタミンD、ビタミンK、リン、適量のたんぱく質を摂取することも必要です。

今回は、骨粗鬆症にならないためにマグネシウムのサプリメントを摂取する重要性などについて説明します。

【第1章】骨粗鬆症になる原因とは?

一般的に骨粗鬆症とは、骨の強度が低下することで引き起こされます。

骨の強度を規定する要因としては、骨密度と骨質が挙げられ、約70%が骨密度、残りの30%前後は骨質に影響されると言われています。

通常では、本疾患には、原発性と続発性の2種類があります。

原発性の骨粗鬆症では、その原因となる明らかな疾患などがなく、主に女性ホルモンの低下や加齢によって引き起こされるものであり、全体の約9割を占めます。

健康な骨の維持には骨の形成や吸収といった代謝のバランスが鍵となります。

加齢に伴うビタミンDや副甲状腺ホルモンの働きの異常性変化によって骨代謝のバランスが崩れていきます。

特に女性の場合には、閉経や加齢によって骨の分解を抑制するエストロゲンというホルモンの分泌が急速に低下する結果、骨の形成が吸収に追いつかなくなり、より骨が脆弱になる方向性へと傾いてしまいます。

これら以外にも、無理なダイエットや偏食により栄養バランスが崩れてしまうと、カルシウムやタンパク質、ビタミン群などが不足して骨量が減りやすくなります。

一方で、続発性の骨粗鬆症とは特定の病気や薬の影響によって二次的に起こるとされています。

具体例としては、甲状腺機能亢進症やクッシング症候群などの内分泌疾患、あるいは胃切除や吸収不良症候群など栄養に関連した疾患、そしてステロイドなどの薬剤、糖尿病などの生活習慣病、先天性疾患など多種多様な原因が挙げられます。

例えば、糖尿病を抱えている方々では、同じ骨密度であっても骨折のリスクが高くなることが知られており、骨質の変化が発症に関わることが判明しています。

女性に多い病気ではありますが、男性が発症した場合には生活習慣病が原因となっている場合が多く、症状が重篤になりやすいとされています。

そして近年では、長期的なマグネシウムの不足が、骨粗鬆症のみならず心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを高める可能性が示唆されております。

【第2章】骨粗鬆症にならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

マグネシウムは骨を作る骨芽細胞に働きかけ、骨の中に入るカルシウム量を調節する役割を有しています。

したがって、マグネシウムが日常的に不足してしまうとせっかく摂取したカルシウムが骨形成に役立ちませんので、普段からカルシウムとあわせてマグネシウムをバランス良くとることが重要な視点となります。

マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けています。

神経の興奮を抑え、体温や血圧を調整し、生命の維持に関わる大切な栄養素であり、体内のマグネシウムのうち約半数以上は骨組織内に含まれています。

マグネシウムとカルシウムには密接な関係があり、カルシウムだけ摂取していてもマグネシウムが不足していると血中カルシウム濃度が低下してしまいます。

日常的な食事において、カルシウムとマグネシウムは2対1の比率でバランスよく摂取するのが望ましいとされています。

マグネシウムは大豆製品や海藻、ナッツ類、そしてゴマ類に多く含まれています。

特に海藻類や大豆製品などは、体に大切なミネラルやビタミンの宝庫と言われており、ひじきや昆布はカルシウム・マグネシウムともに豊富に含んでいます。

成人では、1日に必要なマグネシウムの摂取推奨量はおよそ270340mgとされています。

最近では、食物のみならず普段からサプリメントを摂取する重要性は徐々に周知されてきました。

通常の食事によるマグネシウムの過剰障害は報告されていないため、一般的な耐容上限量は設定されていません。

一方で、サプリメントなど通常の食品以外からの摂取量に関しては、成人で1日に350㎎(小児の場合は体重1㎏あたり5㎎程度)と制限されていますので認識しておきましょう。

骨粗鬆症を発症しないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントを上手く活用する必要があると言えますね。

【まとめ(おわりに)】

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して脆弱化して骨折しやすくなる病気です。

骨の強度が低下する主な要因としては、女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏、加齢、運動不足などの生活習慣の3つが考えられます。

骨粗鬆症では骨折しやすくなるだけでなく、体全体の不調を招きかねない病気と捉えられています。

本疾患では薬剤治療が中心となりますが、食事や運動といった生活習慣の改善も重要な観点となります。

そんな中で、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれている栄養素の中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」であると言われています。

マグネシウムは生体内の約300種類の酵素をサポートする補助酵素としての重要な役割を果たしていることは周知の事実です。

したがって、日々の食事内容もさることながら、サプリメントをうまく活用してマグネシウムの日常的な摂取方法を工夫することによって骨粗鬆症にならないように有意義な生活を送りましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. 中村 忠博, 松永 典子, 樋口 則英, 北原 隆志, 佐々木 均:酸化マグネシウム製剤の腎機能低下患者における血清マグネシウム値への影響. 日本腎臓病薬物療法学会誌.201321.p.3-9.

DOI  https://doi.org/10.24595/jjnp.2.1_3

2)水戸 奈津美, 佐藤 綾香, 佐藤 明広, 伊勢田 大地, 横山 蓮, 渡邉 好孝:理学療法士から広める骨粗鬆症の予防骨粗鬆症リエゾンサービスと骨粗鬆症マネージャーの紹介―. 理学療法の歩み. 2021 32 1 p. 35-40

DOI https://doi.org/10.11342/mpta.32.35

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。