適応障害にならないためにマグネシウムを摂取する意義

【はじめに】

最近では有名人が診断される機会も増え、その名が世間に浸透しつつあるのが「適応障害」という病気です。

適応障害とは、ある特定のストレスが引き金となって引き起こされる感情や行動の症状によって、日常生活支障をきたしている状態のことを言います。

ストレスに関しては、例えば失業、転勤、入学、結婚、出産などのこれまでに経験したことがない自分にとって新しい環境や人間関係なども該当します。

そして、それぞれのミネラルは、体の機能を正常に保つために様々な役割を担っています。

マグネシウムは特に、脳や心臓、そして筋肉部位において重要なミネラルであり、不足すると適応障害などの精神疾患につながりやすい栄養素であることが分かってきております。

そして、マグネシウムの欠乏が高血圧や心筋梗塞症、糖尿病、脳血管疾患、および適応障害を含む精神疾患の発症に関与していることが分かってきており、マグネシウムというミネラルは種々の生体機能に重要な役割を果たしています1)。

今回は、適応障害にならないためにマグネシウムを摂取する意義について説明していきます。

【第1章】適応障害にならないためにマグネシウムを摂取する重要性とは?

適応障害は、ストレスとなる要因に暴露されてから概ね3ヶ月以内に発症すると言われております。

症状としては抑うつ気分や不眠、食欲不振、あるいはイライラして攻撃的になるなど様々なものが挙げられます。

適応障害の患者様の中には情動行動を制御する神経伝達に必要な物質のなかでも特に「セロトニン」の機能低下が関与している可能性が示唆されています。

このセロトニンと呼ばれるホルモン物質は通常では人々の心を落ち着かせる働きがあるとされています。

また、脳の海馬や前頭葉などの領域で学習機能に重要な神経作用を介する栄養関連因子が減少していることによって適応障害を含めて精神疾患の発症に繋がることが最近になって示唆されています。

マグネシウムは特に脳や心臓、そして骨格筋などにおいて重要な生理学的役割を果たしているがゆえに、マグネシウムが不足してしまうと適応障害をも引き起こすと考えられます。

マグネシウム不足になると、それぞれの神経細胞に必要なマグネシウム量が満たされなくなり、適応障害をはじめとして精神疾患の主因とされている神経細胞の損傷を引き起こし、精神行動面では注意力が散漫になります。

このような背景があるがゆえに、適応障害にならないために事前に予防するためには、マグネシウム不足を普段から意識しながら改善する必要があると言えるでしょう。

【第2章】適応障害にならないためにマグネシウムを摂取する手段とは?

適応障害においては、ストレスの原因となるものがなくなると約6ヶ月以内に症状が改善するとも言われています。

ですから、まずはこの病気を早期に発見して、早期治療に繋げることがキーポイントとなります。

万が一にも自分が適応障害かもと思った時には、精神科や心療内科など最寄りの医療機関への早期的な受診をお勧めします。

たとえ早期の治療をすれば治る病気とは言っても、適応障害になることで肉体的にも精神的にも辛い思いをするのは誰でも避けたいものです。

そういった状況を防ぎ適応障害に陥らないために、普段から自分なりにストレスの対処法を知り、ミネラルとうまく付き合って症状を予防していくことが重要な観点です。

我が国ではこれまでにマグネシウム成分が多く含まれている穀物などの食品を諸外国よりも積極的に摂取してきたと言われています。

現在も精米などの穀物から高頻度に効率よくマグネシウムを摂取しています。

そして、幸福ホルモンとも呼ばれているセロトニンをトランスポートする遺伝子が日本人では諸外国と比べて少ないと言われており、もともとうつ傾向や不安障害を感じやすい民族であるとも考えられます。

このセロトニンホルモンを増やすには、日常的にゆったりとしたリズムで有酸素運動を行う、いつもよく笑う、毎晩熟睡を得る、あるいは少なくとも30分程度日光浴をするなどの手段が挙げられます。

また、これらのセロトニン物質は「トリプトファン」が原料です。

このトリプトファンは必須アミノ酸と呼ばれ体内では合成できず必ず食べ物から摂取する必要があり、ビタミンB群やマグネシウムを消費することでセロトニン物質に変わります。

トリプトファンを含む食物としては、みそ汁や納豆などの大豆食品、豆乳、バナナ、卵、ゴマなどが挙げられますが、それらに加えてマグネシウムを豊富に含んでいる牡蠣、玄米などをあわせて摂取する事が重要です。

さらに、マグネシウムは乾燥ワカメやアーモンドなどのナッツ類などにもたくさん含まれていると言われています。

したがって、海藻類や大豆製品などは、体に大切なミネラルやビタミンの宝庫であると考えられ、特にマグネシウム物質は適応障害を未然に予防できる賜物となり得ますので、普段の日常生活から心掛けて摂取するようにしましょう。

また、経口マグネシウムサプリメントは、成人1日あたりで約350 mgの摂取量以下であれば安全域と考えられており2)、近年注目され始めている経皮吸収型クリーム製品など様々な種類のマグネシウム製品を組み合わせることで効率的にマグネシウムを摂取できます。

【まとめ(おわりに)】

適応障害の原因となる主なストレスとしては、まさに我々が過ごしている日常生活にあふれており、仕事や家庭、そして学校や病気など多種多様の因子が考えられます。

日常生活の中で、何かのストレスが原因となって心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じて過剰な身体反応が起こった状態を適応障害と呼んでいます。

つまり、適応障害では誰でも遭遇し得るストレスを体験することによって精神的ダメージを受けて適応できなくなります。

そして、現代を生きる人々においては慢性的にマグネシウム不足している現実があります。

マグネシウムが著しく欠乏すると脳組織は特に悪影響を受けると言われており、マグネシウム不足は精神疾患の中でも特に適応障害という疾患を発症する大きなリスク因子になっていることが解明されつつあります。

そうした背景を有するがゆえに、マグネシウムは体内で最も重要なミネラルとも言えます。

したがって、日々の食事内容をうまく活用してマグネシウムの摂取方法を工夫することによって適応障害にならないように努めて実り多い生活を送りましょうね。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. Altura BT, Alutura BM. Withdrawal of magnesium causes vasospasm while elevated magnesium produces relaxation of tone in cerebral arteries. Neurosci Lett 1980; 20: 323-

DOI  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7443079/

2)Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009

DOI http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。