老年性うつ病を予防するのに今マグネシウムが注目されている?

【はじめに】

一般的に、うつ病は2週間以上持続する抑うつ、喜びの喪失、体重減少、不眠、無気力、集中力の減退などの症状によって特徴づけられる病気であり、特に高齢者の場合には若年者と比較して心気症状の頻度が高く非典型的な経過をたどりやすいとされています。

老年期には身体的な要素や環境要因などから抑うつ症状になりやすく、常に認知症などをはじめとして器質的疾患との鑑別診断を考慮して、個々の高齢者における生活歴や病歴を聴取することが重要な観点となります。

今や我が国では人生100年時代に突入し、長い社会生活を送るうえで高齢者が自信をもって快適な日々を過ごすためには日々のヘルスケアは欠かせません。

そのような中で、ミネラル成分は主要な三大栄養素である炭水化物や脂質、そしてたんぱく質に加えてビタミンを含めた五大栄養素のひとつと言われており生体にとって重要な要素に位置づけられています。

我が国でも日常生活内で前向きにマグネシウムを摂取している方は少なく、これまでにもマグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。

本国のみならず米国の科学アカデミー医学研究所の食品栄養委員会においても日々の食事摂取基準としてマグネシウムや他の栄養素の推奨摂取量が提示されています1)。

また、近年では多種多様のミネラルを同時に効率よく簡便に補うことができるサプリメントという製品によってマグネシウム成分を摂取する人も数多く存在しています。

今回は、老年性うつ病にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。

【第1章】老年性うつ病になる原因とは?

老年性うつ病は、主に高齢者が日常的に過ごす社会生活に想像以上に強い影響が出る程気分の落胆が続いたり、何事に対しても喜びや嬉しさを持ったりすることが困難になる病気を指しています。

症状の現れ方は老年者それぞれで個人差があり、気分の落ち込みのみならずに動作が緩慢になって反応が遅くなるケースもあれば、些細なことで怒りっぽくなるといった行動の変化が目立つ場合も少なくありません。

日本は近年においても高齢化率20%を超える高齢者社会であると同時に、高齢者の自殺率も高いことが知られており、その背景には老年性うつ病の存在が関与していると報告されています。

高齢者では、特に身体疾患への罹患率が若年者よりも高く、死別や離職などの環境変化に加えて心理的援助の不足、あるいはうつ病が見逃されやすいことなども自殺のリスクとなります。

老年期になれば、誰しもが多かれ少なかれ加齢に伴って身体機能の低下という生理的な自然変化のみならず、喪失体験や新たな社会的役割の獲得など様々なライフイベントに遭遇していくなかで抑うつ症状を呈することも決して稀ではありません。

若年者とは一線を画して異なり、高齢者は自分を取り巻く周囲の状況が構築化されやすく、修正対応能力も乏しくなる傾向があるため、慢性的なストレスや緊張状態が長く継続することになるのも抑うつ状態に拍車をかけていると言えるでしょう。

さらに、高齢者はこれらの様々な問題を感情的に表出することが少なく、身体的な問題として解釈されがちであり、漫然とした身体的課題に対する加療が多く実行されることが高齢者のうつ病を更に悪化させている一因となっています。

【第2章】老年性うつ病にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性

一般的には、高齢者においては若年成人と比較して食事からのマグネシウム摂取量が減少すると言われています。

さらに、加齢に伴って腸管でのマグネシウムの吸収率が低下し、腎臓からのマグネシウムの排泄量が相対的に増加する傾向があります。

また、高齢者は若年者に比べて慢性疾患に患いやすく、マグネシウムの状態を容易に変化させる薬剤を服用していることも多くみられるために、マグネシウムが体内で欠乏するリスクが上昇することが懸念されています。

そもそも人間の身体の内部ではマグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、精神情動の安定を始めとして生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。

マグネシウムは特に脳や心臓、そして骨格筋などにおいて重要な生理学的役割を果たしているがゆえに、マグネシウムが不足してしまうとうつ病をも引き起こすとされています。

マグネシウム不足になると、それぞれの神経細胞に必要なマグネシウム量が満たされなくなり、うつ病の主因とされている神経細胞の損傷を引き起こし、精神行動面では注意力が散漫になります。

昨今注目を浴びている「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて、錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指しており、最近ではサプリメントを通じてマグネシウムを補給する方法は一般的に普及され多くの人が利用しています。

マグネシウムは、果物や野菜、または経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取され、特に経口マグネシウムサプリメントは、成人1日あたりで約350 mg(マグネシウム元素量)の摂取量以下であれば安全域と考えられています2)。

老年性うつ病に罹患しないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントを上手く活用する必要があると考えられます。

【まとめ(おわりに)】

高齢者における老年性うつ病は、抑うつ気分などのうつ病の基本症状に加えて倦怠感、慢性的な痛み、体の違和感やしびれ症状などの身体不定愁訴を主に自覚されることが多いです。

それら以外にも、不安感や焦燥心が目立ちやすい特徴がある一方で、もの忘れ症状などの認知機能低下が前面に出て抑うつ気分が分かりづらいといった面もあります。

高齢者における抑うつ症状は、生物学的要因のみならず社会的あるいは心理的な部分に大きく依存する要素が多く、老年性うつ病に対応する際には病気の十分な理解と個々のケースにおける社会背景および身体疾患の既往などを総合的に検討する必要があると言えます。

そのような中で、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」であると言われています。

高齢者の方にはあまり馴染みが少ないかも知れませんが、近年ではマグネシウムサプリメントが広く普及しており、酸化マグネシウムやクエン酸マグネシウム、塩化マグネシウムなど色々な形で容易に入手できますので気軽に摂取することが出来る有用なツールです。

マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分にあったサプリメントを選択して補給するように意識しましょうね。

今一度日々の食事内容を見直しながら、サプリメントもうまく活用してマグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって老年性うつ病にならないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. Institute of Medicine(IOM). Food and Nutrition Board. Dietary Reference Intakes: Calcium, Phosphorus, Magnesium, Vitamin D and Fluoride(英語サイト). Washington, DC: National Academy Press, 1997.

DOI  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23115811/

  1. Guerrera MP, Volpe SL, Mao JJ. Therapeutic uses of magnesium. American Family Physician 80:157-162, 2009.

DOI http://www.aafp.org/afp/2009/0715/p157.html

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。