糖尿病を発症した人がマグネシウムを摂取する意義

【はじめに】

それぞれのミネラルは、体の機能を正常に保つために様々な役割を担っています。

近年では、日常生活において意識して積極的にマグネシウムを摂取している方は少ないと推測されており、この重要なミネラルであるマグネシウムの摂取量がだんだんと減少することによって様々な病気が現れやすいことが指摘されています。

マグネシウムの働きは、動脈硬化予防、高血圧対策、便秘予防、筋肉痙攣予防などに渡り、まさに多種多様な機能があります。

マグネシウムイオンはカリウムに次いで細胞質内に多く存在するカチオンであることが知られており、マグネシウムは 300以上の酵素活性に必要なミネラルであります。

そして、マグネシウムの欠乏は冠動脈性心疾患や2型糖尿病の危険囚子であることが示唆されているのです1)。

今回は、糖尿病を発症した人がマグネシウムを摂取する意義について説明していきます。

【第1章】糖尿病を発症した人がマグネシウムを摂取する重要性とは?

糖尿病は現代の疫病ともいわれ、糖尿病予備軍まで含めると全人口のおおむね30%程度が発症していると考えられています。

糖尿病とは、血糖値(血液中に含まれるブドウ糖)が慢性的に高くなる病気を指します。

一般的に、私たちは食事をすると血糖値が上がります。

そして、血糖値の上昇が感知されると膵臓から「インスリン」と呼ばれるホルモンが分泌され、肝臓や筋肉ではブドウ糖をグリコーゲンと呼ばれるエネルギー源に換えて脂肪組織では脂肪分として蓄える仕組みが作動します。

通常であれば、この仕組みが備わっているために私たちの血糖値は飲食しても一定範囲に保たれているのです。

そして、このようなインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性の状態や空腹時に血糖値が上昇する傾向を示した時には、糖尿病の始まりとも言われています。

主に2型糖尿病の原因のひとつとされるインスリン抵抗性というのは、いわゆる肥満や運動不足などが原因でインスリンが相対的に効きにくくなってしまい、ブドウ糖が細胞に十分に取り込まれなくなる状態を意味します。

このインスリン抵抗性が認められると、筋肉や肝臓などの組織、そして脂肪細胞レベルでブドウ糖を生理的に吸収されにくくなり、血糖値が上がりやすくなってしまいます。

通常では、細胞内ではブドウ糖が身体のためのエネルギー生成に関与しており、インスリンというホルモン分泌物がブドウ糖を細胞内に招き入れるのに必要な化学反応を起こす際にもマグネシウムが必要と言われています。

そんな重要なマグネシウムが不足すると血糖値を下げる作用を有するインスリンの機能が減弱するためにインスリン抵抗性が高まって悪循環のために血糖値が上昇する運びとなります。

さらには、インスリン抵抗性が生ずるとマグネシウムが尿中に多く失われる方向性へと働きやすくなり、摂取不足とあいまってインスリン抵抗性が一段と増悪して糖尿病に進行してしまいます。

だからこそ、インスリン抵抗性を含む糖代謝障害を体の内面から予防して改善させるためにまず優先すべきは「マグネシウム不足」を解消することと考えられます。

【第2章】糖尿病を発症した人がマグネシウムを摂取する手段とは?

糖尿病の原因は、血糖値を降下させる作用のあるインスリンと呼ばれるホルモンの分泌量が低下したり、働きが悪くなったりすることで発症すると言われています。

インスリンの分泌量やその機能に異常が生じる原因としてもっとも多いのは、高脂肪、高カロリー、食物繊維不足などのいわゆる悪しき食生活です。

また、日々の運動不足、ストレス、睡眠不足、喫煙習慣などの生活習慣の乱れもインスリン機能に悪影響を与えると考えられます。

このような生活習慣の乱れによる糖尿病を2型糖尿病と呼んでおり、全ての糖尿病患者の約9割以上を占めるとされています。

一方で、糖尿病の中には自己免疫のはたらきの異常によってインスリンを産生する膵臓の細胞が破壊されることで発症するタイプがあります。

このようなタイプの糖尿病は1型糖尿病と呼ばれており、生活習慣の乱れなどはあまり発症に関与していません。

その他にも、妊娠を契機に発症する糖尿病や膵炎、膵臓癌など膵臓の病気と随伴して発症する糖尿病などもあります。

過去の前向きコホート研究のメタアナリシスの調査結果によると、1日あたりの総マグネシウム摂取量が100㎎増加すると、糖尿病に罹患するリスクが統計学的に有意に15%程度低下することが判明したと言います2)。

マグネシウム不足を解消するためには、1日でおよそ300mg位の摂取が到達目標になりますが、前述した食品だけで全て賄うとなるとなかなか困難ですよね。

人間がマグネシウムを取り入れるもっとも自然な形は食べ物からだと思いますが、近年ではマグネシウムが実は皮膚からも吸収されやすいという特性があるということが分かってきました。

もちろんマグネシウムの摂取は市販のサプリメントでもある程度は期待できますが、マグネシウムクリームは効率よく簡便に皮膚につけることが出来る新しいタイプのインスリン抵抗性を含む糖代謝障害に対する解決策になり得る代物です。

経皮からの吸収による使用効果および即効性は高いと言われていますので、1日でも早く糖尿病の症状を改善させたいという人はぜひマグネシウムクリームを用いてみてくださいね。

【まとめ(おわりに)】

糖尿病は、治療の継続により良好な血糖コントロールさえ適切にできていれば普通の人と変わらない健康な生活を送ることができます。

糖尿病の治療には周囲の病気や治療への正しい理解やサポートが得られる環境づくりも重要な視点です。

糖尿病と診断された場合は生活習慣の乱れが発症に大きく関与している2型糖尿病では、原因となっている食生活や運動習慣の乱れを正す生活指導が行われます。

また、生理的な代謝工程を適切に遂行するための生体内のマグネシウムが不足していると、インスリンとブドウ糖の量がともに増大し、そうしてインスリンが過剰に分泌されると糖尿病に移行するという流れを辿ります。

マグネシウムが不足するということはこれらの働きが正常ルートで行われず、ブドウ糖を細胞内に取り込めずにせっかく分泌したインスリンの作用が減弱してしまい、その結果としてインスリン抵抗性を発現してしまい糖尿病罹患に繋がることになります。

ですから、糖尿病症状を体の内面から予防して改善させるためには日常生活においてマグネシウム不足を解消することとも言えるのです。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. 武本 智嗣、舟場 正幸、松井 徹:ラットにおいて脂肪およびスクロースの過剰摂取はマグネシウム欠乏を増悪する. 日本栄養・食糧学会誌. 70巻・ 4, p.157-163(2017-08).

DOI https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030912297.pdf

2)Larsson SCWolk AMagnesium intake and risk of type 2 diabetesa meta-analysisJ Intern Med262208-2142007PubMed abstract.

DOI https://doi.org/10.1111/j.1365-2796.2007.01840.x

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。