【はじめに】
副鼻腔気管支症候群は、慢性的に何度も繰り返して上気道と下気道の領域に炎症を惹起する病気です。
本疾患や慢性気管支炎、気管支拡張症など気管支周囲に慢性炎症が継続する病気においては、慢性副鼻腔炎など上気道における炎症所見も合併しやすいと言われています。
そして、これまで積み重ねられてきた知見から、マグネシウムの欠乏が急性心筋梗塞や脳血管疾患などの生活習慣病に加えて副鼻腔気管支症候群を含む呼吸器疾患の発症などに関与していることが判明しつつあります。
気道表面にサイトカインと呼ばれる物質が放出されることで気道が過敏反応して咳症状が出現すると考えられている副鼻腔気管支症候群に対して、マグネシウムが炎症性サイトカインを抑制して症状改善に効果的に働くことが期待されます。
また、細菌やウイルスなどの病原体による感染予防の観点から免疫機構を含む生体の微妙な恒常性を維持するために、マグネシウムは広範囲にわたって深く機能していると言われています1)。
今回は、副鼻腔気管支症候群にならないために日常生活においてマグネシウム製品を取り入れる重要性について説明します。
【第1章】副鼻腔気管支症候群とは?
副鼻腔気管支症候群では、慢性的に痰が絡んだ咳嗽症状を呈することが知られています。
軽症の場合は去痰剤だけでも薬物効果が認められて症状が軽減されます。
本疾患を診断するためには、慢性副鼻腔炎の存在、びまん性汎細気管支炎に代表される下気道の好中球性炎症に伴った自覚症状や画像所見を参考にして実施します。
また、マクロライド系抗菌薬や喀痰調整薬による治療反応性を確認することによっても診断に結び付くこともあります。
治療を開始してから数週間で症状が緩和されることもありますが、ひどい場合には数ヵ月単位で治療期間を要する場合も少なくなく、抗生剤を去痰薬と共に長期間服用することも往々にして存在します。
時に長期間の治療が必要となる場合もありますが、症状がいったん軽快したからといって自己判断で通院を中断して治療中止することは禁物です。
【第2章】副鼻腔気管支症候群にならないためにマグネシウム製品を取り入れる重要性
通常ではマグネシウムは日々の生活において例えば飲酒時などにも消費されますし、食事から得られる糖質成分をエネルギーとして燃焼させるときにも大量に使用されることが知られています。
従来から本邦では日常生活内で積極的に意識してマグネシウムを摂取している方は比較的少なく、マグネシウムの摂取量が減少することで様々な病気に陥りやすいことが問題視されてきました。
そういった背景を受けて、近年では効率よく簡便にマグネシウム成分を補うことができるマグネシウムサプリメントやマグネシウムクリームという製品を日常的に活用する人も数多く存在しています。
2012年に米国のケース・ウェスタン・リザーブ大学、南フロリダ大学、カリフォルニア大学らの合同研究者らによって、マグネシウムが炎症性サイトカイン産生を減少させる自然免疫調節機序を担っている可能性に関する報告がなされています2)。
そして、マグネシウム自体は血液中に約1%程度しか存在していないものの、これまでの数々の研究によって重要な生体因子のひとつであると言われています。
人間の身体の内部では、マグネシウムという成分は通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っており、生命維持に必要な様々な代謝機構に関与しているファクターと言われています。
マグネシウムは、ミネラル成分のひとつであり、体内で多くの酵素の働きを助けていると同時に、実際にエネルギー産生機構に深く関与しております。
マグネシウムは、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程以外にも遺伝情報の発現、そして免疫機能の維持などにも寄与していますから、マグネシウムが生体内で欠乏すると低免疫状態から副鼻腔気管支症候群の発症リスクが上昇すると考えられます。
通常では、マグネシウムは主に植物性・動物性食物、そして飲料に広く含まれているとされており、ホウレンソウのような緑色の葉野菜、マメ科植物、ナッツ類なども優れたマグネシウム成分の供給源となり得ます。
一方で、最近では健康志向が高まる中で、自分の食生活に不安を抱く人や健康増進を深く求める方々がいわゆる健康食品の一つであるサプリメントに期待をかけて、日常的に摂取されています。
生体の微妙な恒常性の維持をしている観点から、マグネシウムという物質は広範囲にわたって我々の身体において深く機能しているがゆえに昨今でもサプリメントなどの健康食品類が注目されているのです。
同様に、これまでにオーソモレキュラー医学会はマグネシウム摂取の必要性を度々に渡って強く訴えており、極端な緩下作用を生じることなく適切な用量でマグネシウムを取り入れる方法として経皮マグネシウムを推奨しています。
日本人はマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していないことからも、食事やサプリメント以外の方法で毎日でも使用できる経皮マグネシウムクリーム製品が勧められています。
こうした観点から、副鼻腔気管支症候群にならないためにも最低限のマグネシウムを摂取することが重要であり、その手段としてサプリメントや経皮的クリームなどのツールを上手く活用する必要があると考えられます。
【まとめ(おわりに)】
副鼻腔気管支症候群は、一般的に長引く咳嗽症状に加えて、喀痰を伴うケースにおいて重要な鑑別疾患として普段から認識しておく必要がある病気と言われています。
万が一、咳が長期的に続いて痰がからむ症状が継続している場合には、早期的に呼吸器内科や耳鼻咽喉科を受診するように心がけましょう。
そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルの中でも、特に現代の人々における心身の健康のために欠かせない代表格が、「マグネシウム」です。
マグネシウムは人体を構成するミネラルの中でも必要量が最も多く、現代人の食生活では不足しやすい栄養素であるので、自分に適したサプリメントや経皮吸収型クリームなどの製品を選択して補給することを心がけることが重要な観点となります。
今一度日々の食事内容や生活習慣スタイルを見直しながら、マグネシウム成分の摂取方法を工夫することによって副鼻腔気管支症候群を引き起こさないためにも有意義な生活をみんなで過ごしましょう。
今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。
引用文献
1)福生吉裕:マグネシウム製剤の臨床治療への有効性. 東京未病研究会雑誌. 1995 年 1 巻 1 号 p. 20-28.
DOI https://doi.org/10.11288/mibyou1995.1.20
2)Sugimoto J, Romani AM, Valentin-Torres AM, Luciano AA, Ramirez Kitchen CM, Funderburg N, Mesiano S, Bernstein HB. Magnesium decreases inflammatory cytokine production: a novel innate immunomodulatory mechanism. Journal of Immunology 188:6338-46, 2012.
DOI http://www.jimmunol.org/content/188/12/6338
著者について
■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域
■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。
■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。