偏頭痛を抱えた人がマグネシウムを摂取する意義

【はじめに】

偏頭痛などの慢性頭痛は「病気」の1種類であり、実に日本人の4人に1人にあたる約3000万人程度が慢性的な頭痛を持っていると言われています。

特に偏頭痛では、吐き気や嘔吐を自覚して、さらに光や音に対して非常に敏感になる症状を前駆的に伴います。

偏頭痛によって拍動する強い痛みが頭部に生じることによって日常生活に極めて支障をきたします。

そして成人の場合には、一般的にはマグネシウムを1日300mg前後摂取するように推奨されています。

ところが、ある統計では偏頭痛持ちの人の約30%で普段から慢性的にマグネシウムの摂取量が不足傾向であると言われているのです。

実際のところ、マグネシウムの低下は血管攣縮をもたらして、偏頭痛を悪化させると伝えられています。

つまり、毎日の生活の中でしっかりと必要量のマグネシウムを摂取することは、偏頭痛の症状を予防することにつながると考えられます。

今回は、多くの現代人が悩みとして抱えている慢性頭痛の中でも特に偏頭痛を持つ人がマグネシウムを摂取する意義について説明いたします。

【第1章】偏頭痛を抱えた人がマグネシウムを摂取する重要性とは?

現代の医学でも、偏頭痛の病態は必ずしも全てが明らかになっていません。

一般的に、偏頭痛の症状は何らかの要素が契機となって、脳の血管が急激に拡張することで引き起こされると考えられています。

何らかの要素とは例を挙げるとすれば、例えばストレスなどにより三叉神経領域が強く刺激され、神経末端より炎症物質を放出し、その炎症物質がさらに血管を拡張し、ズキン、ズキンと表現される拍動痛をもたらす偏頭痛を発症すると伝えられています。

またストレスのみならず、気候や気圧の変化、あるいは人混みなど環境の変化、寝すぎや寝不足といった生活リズムの変化、そして飲酒歴を持つ女性の場合には月経などの女性ホルモンなども関与して偏頭痛は発症しやすいと推察されています。

そして、近年では日本やアメリカ、および西洋諸国において成人の一日あたりのMg摂取量が推奨値を継続的に下回っていることが知られております1)。

マグネシウムは特に脳や心臓などの内臓臓器、そして筋肉組織に必要なミネラル要素のひとつであると言われています。

現実的に生体内でマグネシウム成分が不足するとあらわれやすい代表的な疾患として「偏頭痛」が挙げられるのです。

マグネシウムは日常の食生活により体内に必要な量を十分に維持できる可能性があるミネラルだと言われています。

現代においては、過剰なアルコール摂取や栄養状態の不良、また利尿薬の長期投与などによってマグネシウム不足が生じて、さらには精神的なストレスがかかることによっても生体内のマグネシウムが量的に消費されて低下することが知られています。

様々なストレスを抱えやすい今の社会では、マグネシウムの低下を起こしやすい環境とも言えますね。

このような複雑な背景があるがゆえに、偏頭痛を抱えた人がその症状を改善させるためには、「マグネシウム不足」を解消することが重要と考えられます。

【第2章】偏頭痛を抱えた人がマグネシウムを摂取する手段とは?

偏頭痛の特効薬であるトリプタン製剤が保険償還されて発売されたことで、偏頭痛の症状を改善することが出来た人の生活の質は格段に向上しました。

しかし、日本人は現代でもマグネシウム不足になりやすく、半数以上の方が理想値には達していない現状があります。

長年に渡って、偏頭痛症状と付き合ってきた人には、その誘因や予兆に何となく気づくものですね。

食事に関しては朝昼晩の3食を規則正しくきちんと食べることが、偏頭痛を予防する観点からも重要であり、特にマグネシウムには、頭痛症状の予防効果が期待できます。

ここでは、マグネシウムが多く含まれている食材を紹介します。

大豆や豆乳に加えて、黒豆や豆腐もマグネシウムを中心にビタミンやカルシウムが豊富に含まれていますので頭痛症状を改善させるために摂取されることをお勧めします。

また、玄米は白米に比べて、マグネシウムやビタミンB群、あるいは食物繊維を豊富に含んでおり、普段の食生活において玄米パンや玄米粉などをヨーグルトやスープなどに混ぜて摂取すると食べやすいでしょう。

そして、カシューナッツや落花生もマグネシウム豊富であり、ひじきはマグネシウムや鉄も豊富に含んでおり、頭痛のみならず冷え症や首や肩の筋肉の緊張を和らげる効果も期待できますよ。

おにぎりなどに巻かれていることが多いのりは「海のミネラルの宝庫」と呼ばれており、マグネシウム、カルシウムなどが豊富に含有されていますし、ほたては魚貝類のなかでマグネシウム含有率が一番高いと言われています。

毎日の食事で、上手にマグネシウムを多く含む食品を取り入れて効率的に頭痛症状を予防してくださいね。

【まとめ(おわりに)】

偏頭痛とは、吐き気や嘔吐、光や音に対して敏感になる症状をともなって、まるで拍動するような強い痛みが頭の片側や両側に生じ、生活に強い支障をきたすことがある頭痛です。

普段から飲酒を控えたり、寝すぎや寝不足を避けたりするなど、偏頭痛の誘因を減らすような生活の工夫をしていくことも、偏頭痛を予防するうえで重要な視点です。

偏頭痛の痛みは大変つらいものです。

同じ慢性頭痛であってもひとりひとり性状や特徴が違いますので、それぞれに合った治療が必要です。

したがって、自分の頭痛の特徴を知って、正しい対処法を見つけることで、頭痛発作を減らし、頭痛に悩む時間を減らすことができるように努めましょう。

偏頭痛はいつ発症するのかわからない、また原因も明確にわからない頭痛であるがゆえに、痛みを上手にコントロールするためにはまず「自分の頭痛を知る」ことが大事なのです。

そして、これからはマグネシウムをはじめとするミネラルバランスを意識した快適な日常生活を過ごせるように工夫していきましょう。

できるだけ症状が出ないように必要な薬物を含む治療を続けながら、気長に病気と向き合って自分で上手に頭痛症状を管理していくことを心がけましょうね。

普段からしっかりとマグネシウムを体内に摂取しておくことが忌々しい偏頭痛の症状から解放されて疾患予防につながると考えられます。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

1)小林奈通子:マグネシウム栄養の温故知新欠乏応答,吸収輸送,輸送体—.日本土壌肥料学雑誌.2017881.p53-59.

DOI https://doi.org/10.20710/dojo.88.1_53

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。