マタニティブルーズにならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

【はじめに】

マタニティブルーズとは、一般的には産褥期に見られるとされる軽度の抑うつ症状や精神的な不安定さ、あるいは涙もろさなどを主症状とする一過性の症候群を指します。

この疾患では、主に産後35日頃に最も症状が現れやすく、通常では産後数週間が経過すれば自然と状態が改善していくことが多く、約3割の女性が経験すると伝えられています。

マタニティブルーズは出産後に誰にでも発症する可能性があり、予防方法があるならば知っておいて損はないだろうと考えます。

そして、私たちのからだの中に確かに存在して色々な生命活動をサポートしてくれているミネラルであり、現代人の心身の健康のために欠かせないと言われているのが、「マグネシウム」です。

近年では我が国同様、アメリカや西洋諸国において成人の一日あたりのMg摂取量が推奨値を継続的に下回っていることが知られております1)。

マグネシウムは昔ながらの日本食では豊富に摂取できるものが多いとされていますが、その一方で複数のミネラルやビタミンを同時に補うことができるサプリメントによってマグネシウム成分を摂取する人も最近では散見されます。

今回は、マタニティブルーズにならないためにマグネシウムのサプリメントを摂取する重要性などについて説明します。

【第1章】マタニティブルーズになる原因とは?

皆さんの周りで出産後にいわゆる「マタニティブルーズ」に罹患した方々はいらっしゃらないでしょうか。

この病気の主な原因としては、出産を終えたことによる急激なホルモンバランスの変化が根底にあるものと考えられています。

生理学的に妊娠中は妊娠していない時期に比べて、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが大量に分泌されていることは周知の事実です。

そして、出産をいざ終えますと妊娠を維持するために多量に分泌されていたこれらの女性ホルモンの分泌量が一挙に減少して、ほぼ枯渇した状態となります。

このような急激に訪れるホルモンバランスの変動が実際に自律神経の役割や機能にも影響して、精神的に情緒不安定な状態を引き起こすと考えられています。

さらに、このホルモンバランスの変化以外に重なって、出産そのものによる侵襲ストレスや産後の疲労貯留、あるいは出産した子どもに対して母親としての務めを遂行しなければならないという責任感、慣れない育児による心身の疲れなども関与しているでしょう。

そのため、特に初めての出産や産褥を経験する人々、またはもともと精神的な不調や原疾患があった女性、そして周囲のサポートや支援協力体制が乏しい方もマタニティブルーズに陥りやすい特徴があります。

【第2章】マタニティブルーズにならないためにマグネシウムサプリメントを摂取する重要性

マタニティブルーズに罹患した際には、その多くは身体的あるいは精神的な疲労状態が改善するようにまずはゆっくりと休める環境を整えて、不安や心配な気持ちを十分に受け止めるといった対応で改善すると言われています。

実際に、薬物療法が必要になることはほとんどありませんが、仮に症状が長引く場合や睡眠や食事などに関するセルフケアや育児などに支障があるケースでは、精神科や心療内科への受診が必要となります。

そして、われわれ日本人はこれまでにマグネシウム成分が多く含まれている穀物や植物性食品を諸外国よりも積極的に摂取してきた民族といわれており、現在も精米などの穀物から高頻度にマグネシウムを摂取しています。

特に、産褥期の女性がマグネシウムを有効的に摂取するためには、当然のことながらマグネシウムを多く含む食品を積極的に摂ることが必要であります。

マグネシウムは多くは腸管から再吸収されて、そのほとんどは具体的には遠位空腸や回腸などの小腸で吸収されると言われています。

マグネシウムは1926年以来から生体にとって必須元素であることが知られています2)。

マグネシウムは特に脳や心臓、そして骨格筋などにおいて重要な生理学的役割を果たしているがゆえに、マグネシウム不足になるとそれぞれの神経細胞に必要なマグネシウム量が満たされずに神経細胞の損傷を引き起こして様々な精神行動面での変化がみられます。

厚生労働省が制定している「日本人の食事摂取基準」では、マグネシウムの推奨摂取量は1日あたり成人男性でおよそ340370mg、また成人女性では概ね270290mgとなっています。

普段の食生活などでビタミン群やミネラルなどの要素が欠乏すると、生活習慣病関連のみならずに精神面での情緒不安定も起きやすくなると考えられています。

このような背景があるがゆえに、マタニティブルーズを予防するためには、普段から意識して食べ物やサプリメントなどからマグネシウム成分を摂取する必要性があると言えますね。

そして、不安定な心理状態を治すためには、日ごろから食事やサプリメントでマグネシウムを含めてミネラル成分をしっかりと摂取しておきたいものです。

また世間でよく知られているように、マグネシウム製剤のなかには産褥期に陥りやすい便秘症に対しても改善効果がある成分を含有していると言われています。

マグネシウムは種実類(ごまやアーモンド、カシューナッツ、ヒマワリの種など)、海藻類(あおさや青のり、わかめ、とろろ昆布など)、そして豆類・大豆加工食品(豆腐や納豆、油揚げ、味噌、きなこなど)に多く含有されています。

原則として、ミネラルそのものは基本的には体内で十分な量を作ることができませんから、食品などから摂取する必要があります。

その一方、食事などで十分な量を取れない場合には市販で販売されて容易に手に入るサプリメントを活用する方法もあります。

通常では、サプリメントの容器には摂取量程度しか記載されていないことが多いため、飲むタイミングはいつが望ましいのか迷ってしまう人も多いです。

基本的には、いつどのようにサプリメントを飲んでもいいのですが、まずは食後に1日の目安量を分けて飲んでみることをお勧めします。

もし仮に、分けると飲み忘れてしまいそうな方は、一日の中で飲むタイミングを決めておくことが重要であり、朝起きてからの飲用、あるいは就寝前の飲用などを習慣化して飲み忘れを出来る限り予防するように努めましょうね。

【まとめ(おわりに)】

一般的に、マタニティブルーズの症状の現れ方は個々のケースによって異なります。

本疾患では、出産後の産褥期に明確な要因がないにもかかわらず急に涙もろくなり気分が不安定になる、あるいはイライラして攻撃的になる、そして漠然とした不安感に襲われるなどの症状が主に認められます。

多くは一時的な症状に限定されますが、万が一数週間を経過しても精神的あるいは身体的な不調が続いて症状が改善しない場合には、産後うつ病などマタニティブルーズ以外の精神疾患を合併している可能性もあるので早期的に医療機関を受診しましょうね。

そして、主要ミネラルの一種とされているマグネシウム成分はそんなマタニティブルーズの症候群に対して改善効果を発揮すると考えられます。

日々の食事内容やサプリメント栄養をうまく活用してマグネシウムの摂取方法を工夫することによってマタニティブルーズにならないように実り多い有意義な生活を送りましょう。

また、サプリメントは体調や健康維持が目的のため、長く継続することが重要な視点です。

まずは、3カ月程度続けてみることを意識しながら、今まで不足しがちだったマグネシウムをはじめとする栄養素を補うことで、きっと満足のいく結果が得られるようになりますよ。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. 小林奈通子:マグネシウム栄養の温故知新欠乏応答,吸収輸送,輸送体—.日本土壌肥料学雑誌.2017881.p53-59.

DOI https://doi.org/10.20710/dojo.88.1_53

  1. 千葉百子、篠原厚子、松川岳久:マグネシウムと健康-栄養、医薬品、環境の観点から-. Biomedical Research on Trace Elements. 2011 22 4 p. 59-65.

DOI  https://doi.org/10.11299/brte.22.59

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。