マグネシウムクリームとメタボリックシンドローム

【はじめに】

さて皆さんはマグネシウム(以下、Mg)が長年に渡ってカルシウムの蔭に潜んで隠れて来た負の歴史があるために、「忘れられたミネラル」と言われてきた経緯を御存知でしょうか。

近年において、マグネシウムは健康維持や増進に必要不可欠なアンチエイジング・ミネラル としても注目をされており、食事によるMgの摂取不足が実はメタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病を発症させる重要な要因のひとつとしても深く関わっています。

つまり、マグネシウムという物質は健康にとって大変重要な必須ミネラルなのです。

それにも拘わらず、長年にわたりほとんどの医師がこの肝要なミネラルの血中濃度を測定することも考えませんし、マグネシウム不足に伴ういろいろな臨床症状も見過ごして来たというのが実際のところです。

2018年にメキシコの研究者らは、マグネシウムを体内に補充することは血圧や高血糖、および高トリグリセリド値を低下させることに繋がり、さらにメタボリックシンドロームを改善すると報告しています1)。

今回は、現代人の多くが罹患しているメタボリックシンドロームという病気とマグネシウムとの関連、そしてメタボリックシンドロームに対するマグネシウムクリームの予防改善効果などを説明させて頂きます。

【第1章】メタボリックシンドロームとマグネシウムとの関係とは?

マグネシウム摂取量は、カルシウムの調査報告より約50年遅れて2001年から厚生労働省が調査報告を開始した背景があります。

これまでにカルシウムと比較してマグネシウムはそれほど研究が進んでいない栄養素であり、マグネシウムに関する国としての認知が相当遅れたのに比例して国民の認知度が更に乏しくなっていました。

一般的に食事由来のMg摂取量が少ない方を除外した健康な人々では、腎臓という臓器がMgの尿中排泄を制限しているために症候性のMg欠乏症はほとんど認められないことが知られています2)。

ところが、健康衛生上の観点から日常的にマグネシウムの摂取量が少ないケースやMgの喪失量が通常より過剰な場合、そして慢性的にアルコール依存症を患っている人では、極端に生体内にMgが欠乏するリスクが高くなります。

実際問題として、Mg欠乏症における初期段階の症状としては、食欲不振や悪心嘔吐などの消化器症状、そして疲労倦怠感や脱力感などが代表的なものとして挙げられます。

Mg欠乏が重篤になると、ミネラルの恒常性が破綻して崩れているために、マグネシウム低値のみならず低カルシウム血症や低カリウム血症に陥っていることが往々にしてあります。

マグネシウムの摂取不足によって虚血性心疾患、高血圧や糖尿病、そして今回の主題であるメタボリックシンドロ-ムを含む生活習慣病になりやすいと言われており、動脈硬化など様々な疾病・病態とも密接に関連しているのです。

なぜならば、必要なエネルギー栄養素であるマグネシウムが生体内で不足すると、食品の体内利用に異常反応をきたし、結果としてメタボリックシンドロームに繋がる肥満症状を襲来させることに繋がるからです。

数々の生理的な代謝工程を適切に遂行するための生体内Mgが不足すると、インスリンと呼ばれるホルモンと血中ブドウ糖の量がともに飛躍的に増大し、そうして過剰なブドウ糖が脂肪として蓄積されると、肥満の原因となりメタボリックシンドロームに繋がります。

ですから、メタボリックシンドロームを未然に予防、あるいは改善させるためには、まず考慮すべきは「マグネシウム不足」を解決することが重要であるということです。

【第2章】メタボリックシンドロームを予防して改善できるマグネシウムクリームの効果を教えます!

マグネシウムは、アーモンドをはじめとする種実類、魚介類、藻類、野菜類、豆類などに多く含まれています。

私たち日本人は歴史的にマグネシウムの多く含まれている穀物や植物性食品を摂取してきた民族であり、現在も主要穀物から最も高率な割合で日々の食生活においてマグネシウムを摂取しています。

マグネシウム不足を解消するためには、そもそも1日でおよそ300mg位の摂取が到達目標になりますが、食品だけで全て充足させるとなるとかなり苦労が多いですね。

人間がマグネシウムを取り入れる自然な形は食べ物からだと思いますが、近年では経口摂取と比較してマグネシウムの経皮吸収方法は、胃・腸管を介さないという観点からより良好な吸収と少ない副作用によって効果的であると主張している人も一定数存在します。

そして、諸外国では既に有名女優やプロスポーツ選手などが日常的にマグネシウムクリームを愛用して直接肌に塗布してメタボリックシンドローム予防のみならずあらゆる症状の改善に貢献している事例が報告されています。

それらを裏付けるリサーチとしては、2017年に英国・ハートフォードシャー大学、および米国・ハワイのマグネシウム教育センターの学者らが行った研究が挙げられます。

その調査手順によりますと、塩化マグネシウムを1日当たり56 mg分を経皮吸収すると、偽薬クリームを使用した被験者と比して介入前から介入後までの血清Mgと尿中マーカー濃度の双方で大きな割合の上昇を示したという結果でした3)。

もちろんマグネシウムの摂取は市販のサプリメントでも一定程度は期待できますが、マグネシウムクリームというのは効率よく簡便に皮膚につけることが出来る新しいタイプのメタボリックシンドロームに対する画期的な方策になり得ます。

経皮的吸収によるマグネシウムクリームの使用効果および即効性は高いと言われていますので、1日でも早くメタボリックシンドロームに関連した症状を改善させたいという人はぜひマグネシウムクリームを試用してみてくださいね。

【まとめ(おわりに)】

現代では無意識の内に食物繊維と共にMgの慢性的な摂取不足に陥っていることがメタボリックシンドロームの新しい発症要因のひとつとして明らかになりつつあります。

したがって、日頃からマグネシウムを摂取することの重要性を認識して、わが国の伝統的な和の食材の良さを再評価し、Mgの十分な摂取を心掛けた食育が極めて重要な視点になります。

その中で、普段からMgを意識して経口的のみにこだわらずに経皮的にもあわせて摂取することによって、メタボリックシンドロームの予防と治療に結びつき、長期的な視点で見れば健康長寿につながるものと期待できます。

過去の数々の調査から、マグネシウム含有型保湿クリームはメタボリックシンドロームに対して予防効果があることを教えてくれています。

メタボリックシンドロームをすでに持病として抱えている人にとっては、病気と上手に付き合うための一手段として、食事やサプリメント以外にも経皮的吸収できるマグネシウムクリームを使用することによって症状を軽快させて、充実した生活を送りましょう。

また、今後の更なる研究によって経皮マグネシウムの詳細が判明することにより、経皮マグネシウムの普及が科学的に支持されることを引き続き期待しております。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

1)Rodríguez-Morán M, Simental-Mendía LE, Gamboa-Gómez CI, Guerrero-Romero F. Oral Magnesium Supplementation and Metabolic Syndrome: A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Clinical Trial. Adv Chronic Kidney Dis. 25:261-266, 2018.
DOI https://www.ackdjournal.org/article/S1548-5595(18)30061-2/fulltext
2)Rude RK:Magnesium. In:Ross AC,Caballero B,Cousins RJ,Tucker KL,Ziegler TR,eds:Modern Nutrition in Health and Disease,11th ed,159-175,
Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore:2012
3)Kass L, Rosanoff A, Tanner A, Sullivan K, McAuley W, Plesset M. Effect of transdermal magnesium cream on serum and urinary magnesium levels in humans: A pilot study. PLoS ONE 12(4): e0174817, 2017.
DOI https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5389641/

著者について

+ posts

■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。