マグネシウムのサプリは効果的なのか

【はじめに】

マグネシウムは体内に多く含まれているミネラルの一種であり、一部の食物にも含有されています1)。

一方で、他の食物にあらかじめ添加されている場合や、一部の医薬品にも配合されているケースもありますが、多くの方はサプリメントとしてマグネシウムを摂取することもあろうかと思います。

一般的には、マグネシウムが体内で不足した場合には、危険な不整脈が生じやすくなり、慢性的に充足されなければ虚血性心疾患や動脈硬化症などに罹患するリスクが上昇します。

また、低マグネシウム血症の場合には吐き気や頭痛、精神不安定などの症状が現れたり、テタニー症状などの筋攣縮を起こしやすくなったりもします。

さらに、近年の研究では長期的なマグネシウムの不足が、例えば骨粗鬆症や心不全などの心疾患、そして糖尿病や高血圧などに代表される生活習慣病のリスクを高める可能性が指摘されており、今後さらに詳細な調査が進められることでしょう。

人間の身体の内部では、マグネシウムは通常では多くの酵素を活性化する重要な役割を担っているために、生命維持に必要な各種の代謝機構に関与している重要なファクターと言えます。

今回は、マグネシウムのサプリには現在どのような種類があるのか、そしてマグネシウムのサプリは本当に効果的なのかを中心に説明していきます。

【第1章】マグネシウムのサプリにはどのような種類があるのか?

マグネシウムは日常的に我々の生体内で補酵素として、あるいは活性化物質として凡そ300種類以上の酵素の働きを助けてくれています。

マグネシウム物質は、実にエネルギー産生機構に深く関与しており、普段摂取している栄養素の合成や分解に携わる工程の他にも遺伝情報の発現、そして神経伝達などにも現実的に貢献しています。

現在のところ、製薬会社や食品会社から色々な微量元素のサプリメントが販売されており、多くの人が日常生活において活用していると思われます2)。

そしてこうしたマグネシウム成分を含んでいるサプリメントというのは、一般的に酸化マグネシウムやクエン酸マグネシウム、塩化マグネシウムなどの化合物として様々な形で市販店などにおいて入手することが出来ます。

サプリメントに記載されているラベルの栄養成分表を見てみると、実はマグネシウムを含有している化合物としての総重量ではなくて、その製品に含まれているマグネシウムとしての微量元素の重量が掲示されています。

通常では、マグネシウムの実際の吸収量に関しては、マグネシウムサプリメントの種類によって異なってきます。

例えば、液体に溶けやすい形を呈するマグネシウムサプリの場合は、溶けにくいものよりも小腸などの腸管で高率に吸収されやすいと言われています。

そして、これまでの過去の調査研究の結果からは、アスパラギン酸マグネシウムやクエン酸マグネシウム、そして乳酸マグネシウムや塩化マグネシウムといった形で含まれるマグネシウムのサプリメントのケースでは、酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムに含まれる場合よりも生体吸収率や生物学的利用率が高いことが示唆されています。

【第2章】マグネシウムのサプリは効果的なのか?

サプリメントは1日に必要とされている量の数々の微量元素が幅広く含まれており、日々の社会生活の中で不足傾向である微量ミネラル元素を補給するにはちょうど良い製品かもしれません。

しかしながら、サプリメントも加工されて人工的に配合されたものであるためにより自然な形に近い食品類からマグネシウムを始めとした微量元素を摂取できるのがもっとも望ましいとも言えます。

2015年に公表された日本人の食事摂取基準レベルでは、1日のマグネシウムの推奨量を中年男性の場合では凡そ350㎎~370㎎、また中年女性では約280290㎎前後と設定しています。

通常の食事による過剰障害についてはこれまでにほとんど報告されておらずに一般的な摂取上限量は規定されていませんが、サプリメントなどを代表とする一般的な食品以外からの摂取量に関しては成人で1日に大体350㎎程度と制限されています。

そうした上限設定の背景には、ダイエットや便秘症などに一定の効果があるといって摂取されがちなにがりを含有した商品や塩化マグネシウムを多く含むサプリメントなどを過剰に摂取してしまうと、下痢などを引き起こすことが考えられます。

最も下痢を引き起こしやすいとされているマグネシウムサプリメントの形タイプは、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、そしてグルコン酸マグネシウムや酸化マグネシウムです。

マグネシウム塩による下痢症状や緩下作用は、十分に小腸や大腸で吸収されなかった塩類成分の浸透圧変動効果と胃腸の蠕動運動の促進機能によって生じると考えられています。

ですから、サプリメントからの正常範囲を超える高用量のマグネシウムを摂取することは、しばしば悪心や腹痛を伴った下痢徴候が認められますので普段から注意しましょう。

【まとめ(おわりに)】

マグネシウムは私たちの身体にとってなくてはならない必要なミネラル成分であり、日常的にマグネシウムの摂取量が少ないと、あらゆる生体内の生化学的経路に変化を生じさせて時間の経過とともに生活習慣病などの疾患リスクが増加します。

健常者であれば、食物やサプリメントからある程度の過剰量のマグネシウムを摂取しても余剰分が腎臓から尿中に生理的に排泄されるために健康上のリスクはほぼありません。

サプリメントは医薬品のように決まった服用時間は示されていませんが、その成分や形状に関わらず空腹時にサプリメントを飲んだり、一度に大量に摂取すると胃部不快感や下痢が出現する可能性がある点を懸念して日常的に上手く付き合って健康活用しましょうね。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. 厚生労働省HPより:『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』.

DOI https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/08.html

  1. 廣村 信, 金山 洋介, 五十嵐 香織, 羽場 宏光, 榎本 秀一:にがり成分の生体内ダイナミクスと代謝吸収過程のイメージング. 日本海水学会誌. 2010 64 4 p. 196-201.

DOI  https://doi.org/10.11457/swsj.64.196

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。

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