パニック障害を抱えた人がマグネシウムを摂取する意義

【はじめに】

パニック障害とは、主にパニック発作が起きる、予期不安が続く、広場恐怖を感じるといった主要症状を呈する病気のことを指します。

生涯にわたる罹患率がおよそ数パーセントであり決して稀有な疾患ではありません。

本疾患では多種多様な身体症状を発作的に繰り返すために、当の本人は内科のみならず他の診療科を受診するケースが多いです。

しかし、常に適切な診断がなされるとは限らずにその結果として適切な治療の介入が遅れてしまうこともしばしば存在します。

さて、従来から厚生労働省が健康増進法に基づいて若年女性を含めて日本人の食事摂取基準量を規定していますが、その調査によると我が国における現代人の多くの方もマグネシウムの慢性的な摂取不足に陥っていると言われています。

それぞれのミネラルは、体の機能を正常に保つために様々な役割を担っています。

その中でもストレスを感じる人が抱えやすいパニック障害に罹患した際に治療や予防の措置対策として重要な位置づけとして捉えられているミネラルとして最近特に着目されているのが「マグネシウム」です。

今回は、パニック障害を抱えた人がマグネシウムを摂取する意義について説明していきます。

【第1章】パニック障害を抱えた人がマグネシウムを摂取する重要性とは?

パニック障害とは、一言で説明すると「予期しないパニック発作が繰り返して生じて、再度発作が起きるのではないかという不安を払拭したり発作を回避するような言動をとることが1ヶ月以上もの期間を通じて持続する」病気を指します1)。

パニック障害は決して珍しい疾患ではなく、一生の間にパニック障害を罹患する人は100人中に23人と報告され、その再発率は50%以上と高く、一般的には男性よりも女性に発症しやすいと言われています。

パニック障害では、突然に誘因やきっかけもなく、動悸やめまい症状を自覚して、発汗や窒息感、あるいは吐き気や手足の震えといった症状発作を伴うがゆえに生活や仕事に明らかな支障をきたします。

パニック障害の発症するメカニズムや主要な原因はいまだ完全に明らかになっていませんが、これまでの精神疾患の併存やストレスが強くかかる人生上の出来事によって影響を受けやすいとされています。

また、脳の海馬や前頭葉などの領域で学習機能に重要な神経作用を介する栄養関連因子が減少していることも最近になって示唆されています。

栄養関連という観点から考えると、マグネシウムは特に脳や心臓などにおいて重要な生理学的役割を果たしているがゆえに、マグネシウムが不足してしまうとパニック障害を引き起こす可能性が考えられます。

マグネシウム不足になると、それぞれの神経細胞に必要なマグネシウム量が満たされなくなり、神経細胞の損傷を引き起こして精神行動面で異常をきたす可能性があると思われます。

そうしたパニック障害を抱えた方においてマグネシウムが生体内で不十分になると、パニック症状にくわえて抑うつ状態がさらに悪化することもあり得ます。

これらの様々な観点から日常的にパニック障害を抱える様々な患者さんがマグネシウムを摂取することは重要であるとも言えるのです。

【第2章】パニック障害を抱えた人がマグネシウムを摂取する手段とは?

パニック発作の方では、突然に訪れる恐怖心や強い不安感によって、動悸やめまい、あるいは呼吸困難感などの症状が現れます。

これらの症状は比較的すぐに消失して、精密な検査を行っても特段の異常は認められません。

パニック障害においては、三大症状として「パニック発作」、そして「予期不安」と「広場恐怖」が代表として挙げられます。

さらに、それらの三大症状に引き続いてうつ傾向になる症状が特徴的と言われています。

そして、我が国ではこれまでにマグネシウム成分が多く含まれている穀物などの食品を諸外国よりも積極的に摂取してきたと言われています。

現在も精米などの穀物から高頻度に効率よくマグネシウムを摂取しています。

あらゆる年齢層の方がマグネシウムを有効的に摂取するためには、当然のことながらマグネシウムを多く含む食品を積極的に摂ることが必要と考えられます。

マグネシウムは多くは腸管から再吸収されて、そのほとんどは具体的には遠位空腸や回腸などの小腸で吸収されると言われています。

日々の食事をする際には豆類や野菜類、そして海藻類などの食物繊維の比較的多い食材を前向きに摂取する必要があると言えるでしょう。

さらには、ひとつの食品から一度に大量に摂ろうとするだけでなく、それ以外にも市販店などで容易に手に入るサプリメントなどを有効的に活用しましょう。

近年注目され始めている経皮吸収型クリーム製品などさまざまな種類のマグネシウム製品を組み合わせることで効率的にマグネシウムを摂取できるとも言えます。

マグネシウムは、果物や野菜、または経口サプリメントを組み合わせた食事成分として体内に摂取され、特に経口マグネシウムサプリメントは、成人1日あたりで約350 mg(マグネシウム元素量)の摂取量以下であれば安全域であると言われています。

特にインスタント食品やファストフードを普段からよく食べて抵抗感が少ない人にとっては、マグネシウムが多く含まれる玄米や雑穀、ナッツ類といった食材のみならず経口サプリメントで摂取する方法もありますので検討してみてください。

【まとめ(おわりに)】

パニック障害では基本的にパニック発作を何度も繰り返す経過をたどります。

はじめの頃は発作に対して過大な心配をしてくれていた家族及び友人や職場の同僚たちも、医療機関で調べた結果で体のどこにも異常がないと判明すればだんだん理解されなくなってきます。

本当のところは、とても症状発作が苦しくて不安に苛まれているのに、誰からも理解されず協力してもらえないことは大変つらいことです。

パニック障害に陥った時にはマグネシウムを摂取すると症状が改善される期待感があることを知っておくと良いでしょう。

マグネシウムは、人体にとって必須のイオンとされており、日々の健康と生活を支えて維持するのにとても有益な役割を有しています。

パニック障害の症状を少しでも改善したい人はマグネシウムをはじめとするミネラル摂取を意識した快適な日常生活を過ごしましょう。

そして、調子が悪い時にパニック症状やうつ傾向になる状態と上手に付き合っていくために、食事内容やサプリメントをうまく活用することによって精神的症状を軽快させて実り多い生活を送りましょう。

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

引用文献

  1. 乳原彩香ら:パニック発作の再発により予期不安と広場恐怖が持続する20代女性へ症状に対するセルフエフィカシーに焦点づけた認知的介入を適用した事例. 日本認知・行動療法学会 第44回大会.

DOI https://www.jstage.jst.go.jp/article/jabctc/44/0/44_146/_pdf/-char/en

著者について

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■専門分野
救急全般、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

■プロフィール
平成19年に大阪市立大学医学部医学科を卒業後に初期臨床研修を2年間修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科後期臨床研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科後期臨床研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科医員として研鑽、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、平成26年より救急病院で日々修練しております。

■メッセージ
私はこれまで消化器外科や心臓血管外科を研鑽して参り、現在は救急医学診療を中心に地域医療に貢献しております。日々の診療のみならず学会発表や論文執筆等の学術活動も積極的に行っております。その他、学校で救命講習会や「チームメディカル:最前線の医療現場から学ぶ」をテーマに講演しました。以前にはテレビ大阪「やさしいニュース」で熱中症の症状と予防法を丁寧に解説しました。大阪マラソンでは、大阪府医師会派遣医師として救護活動を行いました。

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